大学を中退して半年間、地元の徳島でとび職をしていました。友人が「仕事探してるか?」と誘ってくれたのがきっかけです。もともと高いところは大丈夫だったんですけど、とび職人はイカツい人が多いイメージで迷いはありました。でも実際は尊敬できる先輩方ばかりでした。
ニッカーボッカーをはいて、高層ビルや吉野川に架かる橋に登って作業をしていました。足場の幅は30センチぐらいなので、すごく集中力が必要でしたね。体はもちろんなんですけど、頭もすごく疲れました。もう一度プロ野球を目指すために独立リーグに入りましたが、とび職を経験したことで人として貴重なものを得ることができたと思っています。
『週刊ベースボール』2024年7月1日号(2024年6月19日発売)より
写真=BBM