週刊ベースボールONLINE

2024ルーキー特集 新星の光

<新人王レースの行方>2年目以降の新鋭も多数 多士済々の若手投手【パ・リーグ編】

 

受賞チャンスは生涯で一度きり。シーズンで最も活躍した新人選手に贈られる“新人王”の行方も気になるところだ。ただ、同賞の有資格は新人に限らない。育成上がりの面々や入団2年目以降の新鋭も新人王レースをにぎわせている。さあ、今季の勲章は誰の手に!?
※成績は9月12日時点、年齢は今季の満年齢

金村尚真[日本ハム/投手/2年目/24歳]


 パ・リーグは投手の争いとなりそうだ。筆頭は西武のドライチ左腕・武内夏暉。白星こそ7勝だが、勝敗だけでは、その価値を表せない。8月11日の日本ハム戦(エスコンF)から自身4連敗を喫して貯金は1のみだが、歴史的貧打に陥っている打線をバックに投げ援護点が望めない中で質の高いピッチングを披露している。同じ先発では楽天古謝樹が対抗に挙がる。外れ外れの1位指名で陰に隠れた存在だったが5勝をマーク。先発投手層が薄くなったチーム状況もあり、一軍での先発機会を与えられている。

 救援投手ではオリックス古田島成龍が筆頭候補だ。6位と下位指名ながら即戦力として大車輪の働きを見せ、新人史上2人目となる50試合登板以上で防御率0点台となれば、インパクトはさらに大きくなるだろう。

 とはいえ、“新人王”の対象はルーキーに限らない(有資格は下記参照)。有資格者の中で、新人王争いに割って入りそうなのが、大卒2年目の日本ハム・金村尚真だ。4月に6連戦がなかったというスケジュールにチーム事情も加わり中継ぎとして開幕を迎えて4月だけで6ホールドを重ねたものの、新庄剛志監督は当初から「将来的には先発」と明言。その言葉どおり、5月に入るとさっそく先発ローテ入り。1年目の昨季は右肩の違和感でシーズンの大半を棒に振って2勝に終わったものの、指揮官をして「マウンドでの雰囲気も堂々として見える。何年目?」と言わしめるほど、力を十分に発揮している。先発転向後の16試合でクオリティースタートは11、多彩な変化球を駆使してゲームをつくる能力は一級品で、打線との兼ね合いで勝ち星こそ6にとどまるものの防御率は2.31を記録している。

柳川大晟[日本ハム/投手/1年目/21歳]


 育成3年目の今年5月に支配下登録された日本ハム・柳川大晟も右肩上がりの成長曲線を描き、8月上旬に田中正義が二軍再調整になるとクローザーに抜てき。21歳を目前にしていた右腕も期待に応え、155キロに迫るストレートとフォークで押しまくりセーブを重ねていった。例え新人王までは手が届かなくとも、同じく開幕前に支配下昇格となって一時は先発ローテに名を連ねた福島蓮とともに、チームの育成力の象徴だ。

【新人王資格】
初めて支配下登録されてから5年以内で、投手は前年までに通算30イニング以内、野手は同60打席以内の選手

■パ・リーグの主な新人王候補
選手名/球団/位置/年数/今季の成績 ※年数は支配下登録年数

柳川大晟/日本ハム/投手/1/18試1勝3敗1H8S、防御率3.66
福島蓮/日本ハム/投手/1/12試2勝3敗0H0S、防御率3.54
古謝樹/楽天/投手/1/12試5勝6敗0H0S、防御率4.34
古田島成龍/オリックス/投手/1/45試2勝1敗23H0S、防御率0.86
武内夏暉/西武/投手/1/18試7勝6敗0H0S、防御率2.35
金村尚真/日本ハム/投手/2/26試6勝5敗6H0S、防御率2.31

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング