長かったペナントレースも、いよいよ勝負の後半戦へ。優勝争い、クライマックスシリーズ進出争い、そして個人タイトル争いは、ここから一気に激しさを増していく。チームの命運を握る主力はもちろん、飛躍が期待される若手や復活を期すベテランなど、後半戦の主役となり得る選手たちを12球団からピックアップ。その活躍が、シーズンの結末を大きく左右する。 写真=BBM ※成績は7月26日現在 阪神・下村海翔 ケガを克服したドライチ ゲームメークに長けた男
粘り強く4種類の変化球と平均球速148.6キロのフォーシームを低めに集める。2024年に即戦力ドライチとして入団したが、1年目の春に右肘のトミー・ジョン手術を受け、リハビリ生活を送った。26年5月に二軍で実戦復帰すると、登板ごとに投球回を伸ばし、7月2日の
中日戦(甲子園)でプロ初先発。まだ3試合の登板で初勝利はないものの、低めを丁寧に突きながら試合をつくる能力の高さを示している。
藤川球児監督も先発ローテーションの一角として起用していく方針。成長を続けながら、後半戦は疲労が見え始める先発陣を支える貴重な戦力となりそうだ。
【2026年成績】試3勝0敗1H0S0防2.12 DeNA・勝又温史 投手断念から5年…覚醒したリードオフマン
プロ入り当初は投手として期待されたが、イップスのような症状に苦しみ、2021年オフに戦力外通告を受けた。それでも野手として育成契約を結び、再出発。24年に支配下契約を勝ち取ると、昨季に一軍デビューを果たし、今季はその才能が一気に開花した。規定打席にはわずかに届いていないものの、打率.317と首位打者争いを演じる可能性は大。「観客の前で野球をやるのが大好き。活躍することが一番の恩返し」。誰もが認める練習の虫は、一番打者として打線をけん引。異例の転身を乗り越えた努力家が、チームの上位進出を支える原動力となっている。
【2026年成績】試74安87本3点32率.317 巨人・浦田俊輔 圧倒的なスピードを誇る不可欠なチャンスメーカー
今季、チームで最もブレークした選手と言っていいだろう。大卒2年目で開幕スタメンの座をつかむと、二塁を主戦場に遊撃、三塁もこなすユーティリティー性を発揮。打撃でも成長を遂げ、「積極性はつぶしたくない」と果敢に次の塁を狙う姿勢と圧倒的なスピードを武器に、前半戦終了時点でリーグトップタイの25盗塁をマークし、盗塁王争いをけん引している。新人王争いでも同僚の新人・
竹丸和幸とともに最有力候補の一人。新たなスピードスターのチャンスメークは、2年ぶりのV奪回に向けて優勝争いを繰り広げるチームに欠かせないものとなる。
【2026年成績】試80安76本0点16率.277 中日・金丸夢斗 2年目の覚悟と責任感 2ケタ勝利は最低ノルマ
2年目の今季は開幕から先発ローテーションを守り、奮闘を続けている。5勝5敗から7月に入って3連敗を喫したが、調子は悪くない。昨季に比べて投球の幅は格段に広がり、特に追い込んでからコーナーを突く制球力には磨きがかかった。一方で、好投しながらも突如として連打を浴びる場面があり、そこが歯がゆい部分だ。それでも「ユメは将来的にウチのエースになってもらわないと困る投手」と
井上一樹監督からの期待は大きく、金丸も「自分が先頭に立って投手陣を引っ張っていく」と宣言。後半戦はその言葉を結果で証明し、目標の2ケタ勝利は最低ノルマだ。
【2026年成績】試17勝5敗8H0S0防2.66 広島・名原典彦 「気合と根性」で食らいつく俊足&巧打のガッツマン
チームに勢いをもたらす起爆剤となる。5月21日に支配下昇格を果たすと、交流戦は全試合に出場。同27日の
ヤクルト戦(マツダ
広島)ではプロ初本塁打を放ち、育成時代の課題だった打撃でも存在感を示している。モットーは「気合と根性」。一番打者としてどんな球にも食らいつき、守備も全力プレーで魅せる。7月は無安打の試合も目立ったが、14日の
DeNA戦(マツダ広島)でプロ入り2度目の4安打。22日の
巨人戦(東京ドーム)では代走から盗塁と適時打で爪痕を残した。低迷するチームに活気を与えるムードメーカーとして、元気印の活躍は不可欠だ。
【2026年成績】試47安51本3点13率.266 ヤクルト・吉村貢司郎 本来の投球で再び輝くシーズン終盤に強い右腕
初の開幕投手を任されるなど、首脳陣の期待を背負って臨んだシーズン。しかし、前半戦は思うような投球ができず、本来の力を発揮できなかった。それでも昨季まで2年連続でチーム最多勝を挙げて9・10月度の月間MVPを受賞するなど、シーズン終盤に抜群の勝負強さを発揮してきた実績がある。Aクラス以上を狙う後半戦こそ、その真価が問われる。「自分なりに答えを見つけて修正していければ」と前を向く右腕。本来の投球を取り戻し、持ち味の伸びのある直球とキレ味鋭い変化球を武器に白星を積み重ね、チームを再び首位へ導く存在となりたい。
【2026年成績】試14勝4敗8H0S0防4.37