昨年はリーグ2位のソフトバンクが西武を下して日本シリーズに進出した。本来の姿とは違うが、今のCSは決して悪い面ばかりではない
今すぐやめろとは言わない。CSには利点もある
今年もクライマックスシリーズ(CS)が始まる。2007年からセ・パで導入され、ずいぶんたったが、私にはやはり納得いく制度とは思えない。賛成か反対かと言われれば、はっきり「反対」と答える。1シーズンの激しい戦いを制し、リーグ優勝を果たしたチームこそが日本一を目指し、日本シリーズの舞台に進むべきだ。
ただ全面的に否定するわけではない。「8:2」か「7:3」で反対というところだろうか。譲歩の余地は2分、3分あるし、「今すぐやめろ」と言うつもりもない。
プロ野球は興行でもある。収益は多ければ多いほうがいいし、ファンが喜ぶものを生み出していかなければならない。今、ファーストステージ、ファイナルステージともほとんどの試合で満員になっていることは事実であり、CSが多くのファンに受け入れられていることは間違いない。日本シリーズを懸けた短期決戦の魅力も分からないわけではない。そこはしっかり評価しなければならないだろう。結果的に、優勝チームだけではなく、CSに進む1リーグ3チーム、合わせて6チームが少なからず潤っているのだから、それも悪いことではない。
昨年、ソフトバンクがリーグ2位から日本一となった際に盛んに言われた「下克上」という言葉は、2010年に
ロッテがリーグ3位からCSを勝ち上がり、そのまま日本シリーズを制したことから流行した。あの年は確かに盛り上がったし、ロッテファンはうれしかっただろうと思う。昨年のソフトバンクにしても、レギュラーシーズンでは主力に次々と故障者が出たことで西武にリーグ優勝をさらわれたが、ケガ人が戻って万全の戦力を整えたCS以降は圧倒的な強さを見せ、日本一にふさわしいチームだった。
日本シリーズがその年のもっとも強いチームを決める舞台だとすれば、リーグ優勝を遂げ、短期決戦のCSを勝ち抜き、さらに同様の条件で勝ち上がった相手リーグのチームを倒す、という流れが間違っているとは言い切れない。ただ・・・
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