
1975年の筆者[右]は指名打者として起用された。左は中西太監督
DH制は是か非か
いよいよペナントレースが始まったが、海の向こうのメジャーでも間もなく開幕だ。やはり公式戦は練習試合やオープン戦とは緊張感がまるで違う。選手にとってはここからが本番。まだまだ先は長いが、気を引き締めて戦っていってもらいたい。
さて、少し前の話になるが、メジャー・リーグでは今季からナ・リーグでもDH制(指名打者制)が採用されることになった。
大谷翔平がいるエンゼルスはア・リーグで、もともとDH制が導入されており、投手として登板しないときの大谷がよくDHで起用されていたのは皆さんもご存じだろう。しかし、もう一方のナ・リーグにはDH制はなく、投手がそのまま打席に入っていた。日本でもパ・リーグではDH制があるが、セ・リーグではない。それと同じだが、今季からメジャーでは両リーグでDH制採用となったのだ。つまり、これで投手が打席に入ることはなくなったわけである。
これについては賛否両論あったようだが、私の意見は反対だ。おそらく賛成の声の中には、打撃力のない投手の打席はつまらない、打者一人が有効に使える、走れない守れない選手を救える、などがあると思うが、私に言わせればそれはみな屁理屈だ。そもそも野球は9人で戦う競技。そこがスタートのはずだし、そうして生まれた野球というスポーツの歴史を残してほしかった。
ルールや制度が時代とともに変わっていくのは必要なことだと思う。しかし、そのときに考えてもらいたいのは、なぜここまでそのルールや制度でやってきたのかということだ。その検証もなく・・・
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