
まだまだ本来の力を発揮できていない巨人の中田翔。筆者は完全復活を願っている[写真=小山真司]
宝の持ち腐れ
ヤクルトが強い。交流戦を14勝4敗で優勝し、さらに独走態勢を固めている。6月16日時点で2位の巨人に7ゲーム差だから、このままだとペナントレースの行方が早々に決まってしまう。ヤクルトファンにはもちろん喜ばしいことだろうが、巨人をはじめ、セ・リーグ各球団は何をしておるかということだ。ヤクルトは投打のバランスが非常に良く、昨年の優勝が自信になっているように感じる。2連覇は言うほど簡単なことではないと思っていたが、今のヤクルトは勢いも実力もあり、簡単に連敗はしない安定感がある。
そのヤクルトを追う一番手は巨人なのだが、どうにも歯がゆい戦いが続いている。そしてその巨人の中で私が最も歯がゆく思っている選手を今回のテーマとしたい。それは中田翔だ。6月に入って今季2度目の二軍降格となったが、それも仕方がないだろう。あんな打撃をしているようでは当然だ。
何が悪いのか。まずはステップだ。バッティングはステップが重要なのだ。私が何より気に入らないのは打ったあとに左足が浮いてしまうことだ。体重を後ろに残そうとしているのか分からないが、後ろに体重を残して飛距離など出るわけがない。構えているときはいい。軸足が6、前足が4くらいの力加減で問題はない。だが、打ったあとは体重は後ろから前に乗っていくべきだろう。しかし中田は後ろに残してしまうのだ。何を勘違いしているのか。
ゴルフで例えると分かりやすい。飛距離を要する第一打を打つときに打ったあとは必ず前に体重が乗るはずだ。後ろに残して打つプロゴルファーなど聞いたことがない。だから自分で「つかまえた」と思った打球が打ち損じになってしまうのだ。これでは打撃不振も当然だ。
修正点はそれだけではないが、私が不思議に思うのは、これを打撃コーチたちはどうして本人に指摘しないのかということだ。私は新型コロナ禍の前は毎年のように中田の打撃を見てアドバイスをしていたが、今こそ教えてやりたい気持ちだ。巨人や
原辰徳監督が許せば、すぐにでも中田のもとへ駆けつけたい気持ちでいる。12球団の中で「もったいない」と感じている選手はたくさんいるが、その筆頭がこの中田だ。
どうして私がこれほど中田に厳しく言うのか。それは彼が・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン