
データは情報として大事だが、参考程度にとどめておくというのが筆者の考え方だった[写真=BBM]
データはデータに過ぎず
近年のプロ野球はますますデータ化が進んでいる。これは野球に限らず、どのスポーツにも言えることだろう。対戦相手を徹底的に研究して情報を集め、それをデータ化して試合に生かすわけだ。どのチームにも必ずいるスコアラーの存在意義はそこにあるし、データなしで試合に臨むことなどありえない。それは今も昔も同じだ。しかし昔はデータと言っても大ざっぱだったが、今は非常に細かい部分までデータ化されて選手に伝えられているようだ。
データはもちろんあったほうがいいに決まっている。相手の情報や特徴、癖は知っておいて損はないし、頭に入れておくべきものだと思う。そのほうが戦いを優位に進めることができるのは間違いない。しかし必要以上にデータを鵜呑みにしてしまうのもどうかと思う。
私は現役時代、あまりデータを重要視していなかった。試合前のミーティングでは当日に登板する相手投手の対策を含め、必ずコーチたちから指示が出ていたが、忠実に守ろうとは思っていなかった。情報の1つとして頭に入れておく程度に過ぎなかった。
例えば、相手投手がカウント2-1になると、ほとんどカーブを投げて来るというデータがあるとしよう。普通ならカーブを狙い打てばいいわけだが、私は次に来る球が分かってしまうと不思議とうまく打てなかった。どうしても力んでしまうからだ。王(
王貞治、元
巨人)も同じだった。球種が分かったほうが打てる打者もいれば、逆に打ちづらくなってしまう打者もいるということだ。
しかし私に言わせれば、カーブと言ってもいろいろとある。その投手が投げるカーブも・・・
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