
球団が行うドラフト抽選での“外れ“を選手の肩書にしていいのだろうか[写真は今年のドラフト会議]
今年のドラフト会議が行われている真っ最中、ある高校の野球部監督と一緒にいろんな話をしていた。甲子園に出場した経験を持ち、プロ野球選手を何人も送り出し、卒業生からも慕われているその監督が、ポツリとこう呟(つぶや)いた。
「18歳の子に対してね、指名漏れって言い方はキツいと思うんですよ。20歳そこそこの若者に戦力外通告というのも……そういう表現って何とかならんもんですかね。だって、まだまだ先がある若い子にとって、あまりにも酷な言い方じゃないですか」
今年は10月4日以降、各球団から来シーズンの契約をしない選手たちへ、その旨の通告が始まった。それが戦力外通告である。その時点で戦力外を通告された顔ぶれを眺めてみると、ドラフト1位で指名された選手もいれば、高卒で育成契約を交わしてまだ3年という21歳の選手も3人いた。
ドラフト1位の選手ならそれなりの契約金を受け取っており、次の人生に役立てることもできるだろう。しかし、育成契約の場合は契約金もない。野球の実力に加えて、野球と向き合う姿勢も考え合わせたとき、先への期待値が低いとなれば3年の時間は短過ぎるとは言えないのかもしれないが、それでも高卒3年目の21歳が再出発をするにあたって、「戦力外通告を受けた」というレッテルを貼(は)るのは確かに酷な気がする。
子どもたちと向き合い・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン