
阪急ブレーブスの伝統は確かに受け継がれている[写真中央が上田利治監督]
昨年の今ごろ、このコラムでこう綴(つづ)ったことがある。
『福良GMは、まだ何色にも染まっていない若い選手たちへ、阪急から受け継がれてきた勇者の遺伝子を植え付けようとしている。だからこそ、来シーズンからの
オリックスが楽しみでならないのだ。』
GMの
福良淳一、監督の
中嶋聡が今年、オリックス・バファローズにリーグ優勝をもたらした。四半世紀前、
阪神・淡路大震災の直後のオリックス・ブルーウェーブは“がんばろう神戸”の象徴となった。そのとき、チームのど真ん中にいた
イチローは“阪急ブレーブス”を知らない。実は今のオリックス・バファローズの根っこに横たわっているのは、阪急が携えていた“勇者魂”だと思っている。それはブレーブスの伝統を受け継ぎ、その魂を、かつてファイターズが取ってきた手法で今の野球に合うようにアレンジしたGMと監督がいたからだ。ブレーブスで生まれ、ファイターズで育ったからこそ、故(ふる)きを温めて新しきを知る能力が高かった福良GMと中嶋監督の2人が低迷の続いたバファローズを蘇(よみがえ)らせたのだと思う。
これも以前にここで綴った言葉ではあるが、福良がGMに就任した直後に口にしていた言葉を今一度、読み返してみてほしい。
「今のチームからは、阪急、オリックスの伝統や色が薄くなっているような気がしてならんのですよ。自分が阪急に入ったときには上に山田(
山田久志)さんや福本(
福本豊)さんがいて・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン