
引退発表後、8月17日のソフトバンク戦[ベルーナ]で一軍マウンドに上がった内海
8月16日、日刊スポーツの朝刊で第一報を目にした。一面の見出しは「号泣告白、内海『引退するわ』19年135勝、40歳区切り」――ああ、ついに来たか、と思うと同時に「号泣」という二文字に引きつけられた。その答えは程なく見つかる。「6日夜、家族に」……その10日前、
内海哲也は妻と4人の子どもに引退の決意を伝えた。その際、家族全員が号泣したのだという。
家族――内海の口からいったい何度、この言葉を聞いたことだろう。野球選手にインタビューをして、これほど「家族」と連呼した選手をほかに知らない。内海がジャイアンツのど真ん中で投げていたとき、
グローブの内側に「家族」と刺繍(ししゅう)を入れている理由を訊(き)いたら、彼はこう言っていた。
「自分の家族はもちろん、チームメート、ファン……全部を家族だと思ってます。人間は一人じゃ何もできない。それでもピンチになればマウンドでは一人なので、自分で何とかしなければならない。そういうとき、支えてもらっているすべての人のことを思い出せる言葉がこの『家族』なんです」
ジャイアンツで故障に悩まされて思うように勝てなくなったときも、内海は誰よりも早く球場へやってきて・・・
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