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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「良いチームを作るからこそ、出来上がる良い作品」

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14年からドジャースの編成本部長を務めるアンドリュー・フリードマン[写真左]は、前所属のレイズで、コミュニケーションの専門家を招き、「プロセス&デベロップメント」という役割のコーチ業を託した[写真=Getty Images]


コンセプトづくりからキャスティングへ


 旧知のドラマプロデューサーと食事をした。和牛のタルタルをバタートーストに乗せて前菜としていただいたあと、にんにく醤油とバターのソースを絡めながらレアに焼かれた牛フィレステーキを頬張る。付け合わせに添えられた生の春菊が口直しにピッタリだ。

 長きにわたっていくつもの心に残るドラマを世に送り出してきた彼は、今も現場を奔走している。深夜枠だと予算が限られるからと笑いながら、「だから監督や脚本家と相談しながら演出に工夫を凝らしている」と楽しそうに話していた。

 ドラマのコンセプトを打ち出し、役者をキャスティングする。すぐれたスタッフを集めて、納得のいくドラマに仕上げる……なるほど、ドラマのプロデューサーの仕事はいかに良いチームを作るかということに尽きるのだろう。良いチームを作るからこそ、良い作品ができるのだと合点がいった。

 となると、ドラマのプロデューサーの仕事はプロ野球のGMの仕事に重なるのかと思いを巡らせた。大物俳優をキャスティングすればいい作品になるとは限らない。スタッフを適材適所に配して風通しのいい空気を醸成する。予算内でどんなチームを作るのか。まさにGMと同じ役回りだ。

 先ごろ、アメリカのスポーツメディア「ジ・アスレチック」がMLBのフロントオフィスのランキングを発表した。40人の球団幹部に「すぐれたフロントの上位5球団」を挙げてもらうアンケートを実施、1位に10点、2位には7点と、順位をポイントに換算してランキングを作成したのだ。

 その結果・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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