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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「まだ中途半端な“子どもファースト”」

 

日米を代表するホームランキング、王貞治[写真左]とハンク・アーロン[右]が、正しい野球を全世界に普及、発展させるとともに世界の子どもたちとの輪を広げようと『WCBF世界少年野球大会』を開催した[写真は1977年の日米野球=BBM]


日本の子どもたちに欠ける“遊びの部分”


 コロナ禍を乗り越えて5年ぶりの開催となって、ようやく節目の30回目を迎えた。今年84歳になった王貞治が提唱して始まった“WCBF”世界少年野球大会のことだ。7月28日から8月5日まで、福岡県内の9つの市と町に、世界14の国と地域の子どもたちが集う。

 これは日米を代表するホームランキング、王とハンク・アーロンが、正しい野球を全世界に普及、発展させるとともに世界の子どもたちとの輪を広げようと始めた大会だ。第1回WCBFは王が50歳だった34年前、1990年の夏にロサンゼルスで開催されている。以降、のべ98の国と地域に住む少年、少女が参加してきた。

 WCBFには何度か取材に出掛けた。あるテレビ番組を手掛けたとき、各国の子どもたちにそれぞれの国の言葉でテレビカメラに向かって「ピッチャー、振りかぶって、第1球、投げましたっ、打ったぁ、大きい、大きい、入るか、入るか……入ったぁ、ホームラン!」という実況をしてもらったことがある。これがじつに新鮮で・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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