週刊ベースボールONLINE

石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「“力勝負”の興味深い変化」

 

巨人・戸郷のフォークは、今季の投球の約3割を占めるが、その落ち方は決して一つではない[写真=橋田ダワー]


一定の落ち方をしないほうがいい


 今年の開幕前、ジャイアンツの戸郷翔征にフォークボールの投げ方について訊(き)いた。彼はその奥義をこんなふうに説明した。

「ストレートに見える軌道のフォークを投げるのが僕の課題で、最近は思いどおりのフォークを投げられるようになってきました。高校3年で練習し始めて、何球かで投げられるようになっちゃったので、僕にしてみれば苦労しなかった球種だったと思います」

 今から2年前の2022年8月25日、戸郷はドラゴンズを相手に初回から6者連続での奪三振を記録した(初回先頭からの連続奪三振プロ野球記録は1954年、タイガースの小山正明による7者連続)。そのときに先頭バッターとして対戦した岡林勇希を空振り三振に仕留めた134キロのフォークを、戸郷はその時点での“野球人生におけるベスト・フォーク”に挙げていた。

「あの岡林へのフォークは落ち方がイメージどおりで本当によかったんです。初球、インハイの真っすぐでファウルを打たせて、2球目は同じインハイからスライダーを曲げてまたもファウル。2球で追い込んで、またも同じインハイから落とすイメージのフォークで空振り三振……ほらほら、見てくださいよ、いい感じでしょ(笑)」

 スマホの動画を見せてもらいながら・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング