
スタイルを変えてのアジャストではなく、NPB時代の武器を磨き上げてメジャーにアジャストしたアストロズ・菊池雄星が歩んだ道は“男気”に満ちあふれるものだ[写真=Getty Images]
示し方も感じ方もそれぞれの二文字
下北沢のベースメントバーでミュージシャンの向井秀徳さんのライブを目撃した。アコースティックギター1本の弾き語りだったのだが、いやいや、弾き語りなんて生易しいものではない。向井さんの声が放つすさまじい熱量には圧倒されっぱなしで、ギターの弦をぶち切らんばかりの右腕の力強さには惚れ惚れしてしまう。向井秀徳さんのライブには全身から“男気”が迸(ほとばし)る、観るものを身震いさせる迫力があった。
そこでまた野球を連想する。男気といえば7年前、『野球人の男気』というテーマで何人かに取材をしたことがある。真っ先に会いに行ったのが
江夏豊だ。
「勝負の世界で生きてきた、われわれからすれば、男気なんて、今の時代には、もはや用のない言葉よ(笑)。根性と同じや。男気がグラウンドから漂ってくるなんてこと、残念ながらもうなくなったもんな」
そんなはずはないと当時の選手に漂う男気の残り香を探すべく、次に
井口資仁を訪ねた。すると井口は
秋山幸二の名前を挙げた。
「秋山さんが引退する2002年、一緒にプレーさせていただいたんですけど、僕の中では秋山さんが最高に男気を感じる選手でした。実力は当然・・・
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