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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「脱却しなければならない『閉じる』『守る』の価値観」

 

当たり前の風景である野球好きによるスタンドからの独自撮影[写真はイメージ。撮影=高塩隆]。しっかりと法を整備すれば、野球の魅力を広めるツールとして生かせるはずだ


『禁止』を打ち出し混乱させてはならない


 今年の1月、東京ドームで行われたビリー・ジョエルのコンサートへ出掛けた。74歳にして昔とまったく変わらない声量と音域に度肝を抜かれる。なぜか日本のコンサートでしか歌わない『オネスティ』や『ストレンジャー』といったヒットナンバーも惜しげもなく披露してくれた。そして今でもその日の感動と臨場感をYouTubeで堪能することができる。

 ん?

 なぜYouTubeにあの日の動画が上がっているのだろう。これは違法なのか……コンサートといえば開演前に「写真や動画の撮影、録音はお断りします」とアナウンスされるのが普通だ。たまにスマホをかざしてステージを撮影している人がいようものなら、嫌悪感しか覚えない。じつはあの夜もそうだった。ずっとスマホでステージ上のビリー・ジョエルを撮影していた“非常識な”人がいた。

 しかし、それは先入観に囚われた思い込みだった。あのコンサートは観客による動画の撮影が許可されていて、SNSにアップすることも構わないということだったらしい。それを聞いて驚き、周りに確かめてみると、海外ではアーティストのコンサートで動画の撮影、SNSでのアップが許可されていることは珍しくないのだと聞いた。日本でも最近は撮影を許可するアーティストが増えていて・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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