
15勝3敗、防御率1.67の好成績を残して海を渡る菅野智之。36歳のシーズン、MLBで2ケタ勝利なるか[写真=菅原淳]
硬式球出身、甲子園球児 意地と対抗心が育んだ力
菅野智之は子どものころ、地面に置いた空き缶を目掛けてボールを投げるのが好きだった。家の近くの公園には彼の体と同じくらいの幅の門があって、小学1年生の菅野はその門にチョークで的を書いて、壁がわりにずっとボールを投げていた。門に当たらなければ奥の森までボールを取りに走らなければならなくなる。その幅に当てようと思っているうちに、自然と体の使い方を工夫するようになってコントロールが身についた、と菅野が話していたことがある。
「今もその公園はあります。大人になって行ってみたら、昔はものすごく大きく見えた門が、小っちゃくて、こんなところによく当てていたなって驚きますよ(笑)」
中学時代は家から自転車で通える距離に硬式チームがなかった。菅野が住んでいた相模原は軟式野球が盛んで、彼の通う中学も東海大相模高出身の監督だったのだという。菅野はピッチャーで四番。しかもキャプテンを務めて、投げない試合ではショートを守った。
「あのころは、わりかし何でもできちゃいましたね。特にピッチャーのときのコントロールには苦労したことがありません。フォアボールを連発して試合を壊すなんてことは絶対にしませんでした」
中学では神奈川県大会で優勝、関東大会ではベスト8へ勝ち進んで・・・
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