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今に燃える球人魂

オリックス・古田島成龍インタビュー たぎる闘志の裏に「ランナーがいる場面ほど、楽しい場面はない」

 

ピンチの火を消せば、決まって雄叫びを上げる。ルーキー右腕のマウンドでの感情の爆発ぶりは、優勝決定時さながらだ。“古田島優勝”のフレーズも浸透させるほど、闘志を前面に押し出す投球でNPB記録に並ぶ一軍デビューから22試合連続無失点をマークした25歳。熱き魂、燃える思いの裏には揺るがぬ信念がある。
取材・構成=鶴田成秀 写真=早浪章弘、BBM


確かな答えを持って


  社会人時代までは主に先発を担った右腕だが、1年目の今季は中継ぎとして大きな戦力に。気迫を前面に押し出す投球で相手に流れを渡さぬ男は、中継ぎとしての“答え”を胸に刻む。臨機応変かつ不動心――。スラスラと自分の考えを語る口ぶりも、強い心と無関係ではない。

──1年目からブルペンを支えていますが、ここまでを振り返ると、どんなプロ野球人生のスタートと言えるでしょうか。

古田島 目標にしていた開幕一軍をつかむことができ、開幕からも毎日、必死にやってきたし、今も必死にやっている感じですね。最初(開幕当初)のころはなかなか登板機会がなかったんですが、機会をもらってから少しずつ投げる頻度も増えていって。ようやくプロ野球の世界に慣れてきたのかなと思っています。

──何をするにしても初めてのことばかりですからね。

古田島 移動もたくさんありますし、中継ぎというポジションも、社会人のときに経験はありますけど、本格的にやるのは初めてなので。プロは試合数も多いですし、調整法だったり、気持ちの切り替えだったり、勉強ばかりです。いろんな面で慣れるまでは大変でした。

──心体技で順応を求められる中で、プロの世界で生きていくために必要だと感じたのは何でしょう。

古田島 まずは心と言うか、準備の部分。(試合で)投げるにしても、投げないにしても、どれだけ準備ができるか、どれだけ心を高めていけるか。良いとき、悪いときで体の状態は変わってきますけど、心の準備は調子の良い悪いに関係なくできること。準備をしっかりして、パフォーマンスを高められるかだと思います。

──“心の準備”ですか。

古田島 まずは試合展開を見ることです。もちろん起用は首脳陣が決めることですけど、投げるのか、投げないのかを自分でも考える。試合開始からずっと気持ちを高める必要はないですし、そうすると疲れてしまうので。最初(開幕当初)のころはずっと気を張っていて、すごく疲れたんです。結局、投げない試合も多くて、投げた日よりも疲労感があったんですよね。これでは1年もたないなって思って。もともとあがり(緊張し)やすいタイプなんですけど、それをどうやって落ち着かせるか、どれだけ冷静にいられるか、マウンドに上がったときに、どれだけ良いマインドでバッターに向かっていけるか……。そういう準備ですね。

──頭を整理し、気持ちを落ち着かせるのが“心の準備”と。

古田島 もちろん、体の準備も行うんですけど、体の面はルーティン化できてきたんです。社会人のときまで先発だったので、ブルペンでも30球近く投げるのが普通でしたが・・・

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