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伝説の男たちの「スゴ技」!

【スゴ技】江川卓 ホップする快速球で真っ向勝負にこだわった怪物

 

歴代の名選手たちを連続写真とともに紹介する企画。第2回は高校時代から快速球を武器に打者を圧倒。“怪物”と呼ばれた巨人江川卓だ。




指全体でスピンを


 史上最速の球を投げた男は誰か、という話になると必ず名前が出てくる男。しかも、それは高校時代である。作新学院高時代、9回のノーヒットノーラン(うち完全試合2回)。3年のセンバツ甲子園では4試合で60三振を奪い、バッターがその球にかすっただけで客席がどよめいた。

 球種は基本的には真っすぐとカーブのみ。スピードガンのMAXは153キロだったが、終速の速さ、つまりは最後までスピードが落ちないタイプだった。しかも、インサイドを突いて外で勝負などは一切せず、一番スピードの出る高めに投げ込み、スイングした打者のバットの上をボールが通過するのを理想と考えていた。浮かび上がるように見えた真っすぐは、当然、強烈な逆スピンが掛けられていたはずだが、指先にマメはできなかったという。巨人で同時期にプレーした香坂英典氏(のち巨人広報。本誌で連載中)は「江川さんが、指先じゃなく、指全体でスピンを掛けるんだ、と言っていたことがあります。何となくイメージはできますが、僕には絶対できません。やっぱり天才ですね」と話していた。

 大騒動の末、79年、巨人に入団し、2年目16勝、3年目20勝で2年連続最多勝。81年は2.29で最優秀防御率にも輝き、自身、「僕が一番速かったのは、この年だったと思います」と話していた。その後、肩痛もあって球速は落ちたが、最後まで真っすぐへのこだわりを持ち続け、最後は、そのプライドを打ち砕かれたことで引退を決意した。

 今回紹介する連続写真は残念ながら球速重視のフォームではない。自身によれば、「その見極めはグラブ」だと言う。本気で投げるときは抱え込むように投げ、制球重視の際は、このようにだらりとさせた。

 巨人のエースとしての印象は強烈ながら、当時のファンは皆、こう思っていた。「ジャイアンツの江川は“未完の怪物”だ。本当はもっとすごいはず」と。

PROFILE
えがわ・すぐる(投手)●1955年5月25日生まれ。栃木県出身。右投右打。身長183cm、体重90kg。作新学院高で73年春夏連続甲子園出場。法大では48勝を挙げた。78年秋のドラフトで阪神に1位指名され、翌79年1月に阪神へ入団し、小林繁とのトレードの形で巨人へ移籍した。81年には20勝で最多勝を獲得し、リーグ優勝に貢献してMVP、日本シリーズでは胴上げ投手にも。その後は肩痛に苦しみながらも2ケタ勝利を挙げ続け、87年限りで現役引退。通算成績266試合登板、135勝72敗3セーブ、防御率3.02
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歴代の名選手たちを連続写真とともに紹介する企画。

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