レギュラーの座を不動のものとすべく、臨んだ今シーズン。だが、7月に炭谷銀仁朗が加入したことで雲行きが変化した。首脳陣からの信頼を確固たるものにするため、捕手としての技術向上に励む毎日だ。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM 
穏やかな笑みを浮かべる好漢だが、レギュラー定着への執念を内に秘めている
準備の重要性
試合の中で育てるという育成方針のもと、1年目から55試合に出場するなど、将来の正捕手候補として期待されているのが太田光だ。大卒3年目とプロでの経験は浅いが、今季も開幕から誰よりもマスクをかぶった。ベテラン投手とのバッテリーでは首を振られることもあるが、それらもすべて自身の糧にしている。 ――打率こそ1割台後半となっていますが、昨年を上回る試合数、本塁打数、打点数をマークしています。
太田 盗塁阻止率4割、打率.250という数字を一つの目標としているので守備ではある程度、目標に近い数字は出せているのですが、バッティングのほうではもう少し数字を上げたいですね。ホームランは前半に3本打てたのですが、それからは出ていないですし、打率もだんだん落ちてきたので、いい状態をずっと保ち続けられる引き出しというか、技術面でまだ足りない部分があるなと。それが結果に出てしまったなと思いますね。
――1年間、状態を維持する難しさを感じている、と。
太田 試合に出続ける中で、もちろん守備が第一ではあるのですが、それをこなしながらバッティングでもチームに貢献するのはすごく難しいことだし、それができていかないとやはりレギュラーは獲(と)れないんだなと思っています。守備面の数字は全体的に向上してきているので、今後は今以上に打撃の比重を大きめにしてやっていけたらと思います。やはりスタメンで使ってもらうようになるには、打ち続けないといけないのだということを今年はより感じているところです。
――昨オフ、課題の一つに挙げていたのが三振数です。打席の中で意識していることはありますか。
太田 やはり2ストライクから粘れる力は必要になると感じています。打席で粘れるか粘れないかで(相手投手の)球数も大きく変わってきますから。粘りながらボールを見極めてフォアボールを取ったり、ヒットにつなげられればいいですね。特に追い込まれた状況では結果的に三振に終わったとしても、球数を投げさせられたらいいなと。今後も下位の打順を打つ際にはそういったことが大事だと思うので、今年に限らず三振数はこれからもずっと減らしていかなければいけない数字だと思っています。
――今季は経験豊富な
田中将大投手が加入しました。シーズンに入り、あらためて学んだことはありましたか。
太田 準備、ですね。もちろん皆さんすごく準備はされるのですが、その中でも・・・
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