競争の激しい阪神の外野陣。その中で、年々力を付けてきている。走塁や守備は安定していたが、課題は打撃だった。2021年はその打撃で自分のモノをつかんだ。あとは総合力をさらに上げ、狙うは中堅のレギュラーだ。 取材・構成=椎屋博幸 写真=早浪章弘、BBM 
力強い打撃を身に付け、自信を持って2022年シーズンに挑む
意味をはき違えていた打撃
プロ入り後、非力を実感したことで強い打球を打つことを心掛け、強いスイングを身に付けた。だが、いつしか長打を狙うことを意識し過ぎるようになった。その考えをあらためると、二軍で面白いように安打を重ね始めた。 ──いよいよキャンプインです。オフの調整はうまくいきましたか。
島田 年末年始だけ少し休み、再始動した感じです。1月3日に動き始めましたが、例年どおりの流れで、きちんと動けています。
──2021年は57試合に出場。出場数を増やすために何が大事だと思っていますか。
島田 ケガをしない体ですね。これは当然のことですが、常に柔らかい筋肉になっていくようなストレッチなども行っています。本来筋肉が硬いほうなので、柔らかさをキープする形でのトレーニングをしていますが、ただこれは毎年同じ感じではやっています。
──技術面で、打撃では「強く振る」ということを課題に掲げていた時期もありました。
島田 実はこれまで「強い打球」を打つということの意味をはき違えていました。遠くへ飛ばしたいというか、大きな打球を打ちたいというようなことをどこか捨て切れていなかったです。
──強い打球にもいろいろと違いがあるということですね。
島田 そうですね。本拠地が広い甲子園ということで、僕が本来打たないといけない強い打球というのは、ライナーや、内野手、外野手の間を抜けていく強い打球が一番必要とされているのだと再確認しました。
──それはどうやって気が付いたのでしょうか。
島田 二軍にいるときに、平野さん(
平野恵一、前ファームコーチ)や日高さん(
日高剛、ファーム打撃コーチ)に指導していただいた中で、そういうアドバイスをもらいました。「低いライナーを打って外野の間を抜くほうがいいんじゃない」というようなことですね。それが僕のような打者には本当の意味での強い打球になるのかな、と思い始めました。
──それがファームで3割を超える打撃につながっていったのですね。
島田 そういう考えになって、夏過ぎから打撃の調子がさらに上がっていったんです。このとき「長打はいいや(狙わない)」という感覚で打席に入っていたのですが、逆にそういう打席のほうが、長打が出始めるようになったんです。「何で打てるようになったのかな」と考えたのですが、ライナーを打ちにいくという意識の延長でスムーズにバットが出ていき、角度がかみ合ったときにホームランや長打が出たりしていました。これは新しい発見でした。
──つまり強く振るというところから、鋭く振るイメージになったということでしょうか。
島田 一軍の投手は力もありスピン量も多いので・・・
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