ドラフト8位からの大ブレークだ。キャンプ、オープン戦で評価を集め、クローザーに大抜てき。さらに、BIGBOSSが開幕投手に指名したことでも話題をさらった。スピンの効いた真っすぐを投げ込むルーキーは、教授(プロフェッサー)の異名を取る、理論派投手であった。 取材・構成=滝川和臣 写真=小山真司、湯浅芳昭、榎本郁也 
高校3年時にプロ志望届を出すも指名漏れ。その経験から反骨心が養われた
フォームの安定が好影響
取材を行ったのは4月27日、東京ドームでの試合前。前日には自身のミスが発端で、プロ入り初の黒星を喫していた。しかし、ドラフト8位ながらクローザーを任される右腕は、前夜の出来事をしっかりと反省し、引きずることなく自身の中で消化できているようだった。取材の席についた北山亘基は、「週刊ベースボールはドラフト特集で小さくですが、掲載してもらったことがあります。すごくうれしかったですね」とルーキーらしく初々しさを発散させながら語った。 ──前日(26日)の
オリックス戦で初黒星。10回無死一、二塁でけん制の連携ミスがありました。
北山 サインプレーで僕のミスでピンチを招いてしまいました(一塁へ悪送球)。チームとして取り組んでいることに対して自分ができなかったことを反省しています。次は絶対にミスをしないよう確認して、徹底していくつもりです。
──4月24日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)、オリックス戦と連続で失点。ストレートが高めに浮いていました。
北山 真っすぐが上ずっているのが、今の課題です。心当たりはあるので、自分の中で仮説を立て改善できるように取り組んでいます。
──仮説というのはフィジカル面ですか。
北山 技術がどうこう言う前に、体があっての技術だと思います。まずは体を分析してみて、原因を探ってみる。そのうえで技術的にも改善していきたいです。正しい体をもう1回、つくろうと取り組んでいます。
──体のどの部分でしょうか。
北山 連戦で遠征での移動が多くなってきて、それに伴って腰や股関節周りの動きが固まってしまうんです。それが原因となって姿勢の調和が取れていない。それがここ最近、助長されて悪い方向に進んでいました。一度リセットして、まず動きを出してあげてから整えていく。正しい姿勢で、安定して投げられるよう改善しています。
──3勝1敗1ホールド、1セーブ。防御率2.25。この数字を入団前は想像していましたか。
北山 あまり目先のことは意識せずに、ルーキーなのでチャレンジしていくだけだと思っていましたから数字は意識していません。一軍でシーズン何勝するとか、防御率がいくつとか目の前の成績よりも、その日できることを精いっぱいやっていこうという考え方で過ごしてきました。数字を想像していなかったというよりも、想像しようともしてなかったのが正直なところですね。1日を全力でやっていろいろなことを吸収していこうというのが一番大きかったので。
──そうは言いながらも、入団を前に、自分が投げるマウンドは札幌ドームか鎌ケ谷か、先発なのかリリーフなのか、イメージはあったと思います。
北山 それも全然イメージしていませんでした。結果はあとからついてくる。「なるようになる」と思っていました。適当に過ごして「なるようになる」ではダメですが、しっかりと過ごしたうえで「なるようになる」と思っていました。実際に今・・・
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