
「大谷ルール」は大谷のためのもの。今の日本球界には必要ないものであるはずだが……[写真=Getty Images]
日本に該当する選手はいない 大谷がいなければ無用の長物に
2022年もあとわずかに迫った12月14日、朝起きてスポーツ紙を広げると、片隅にわずか10数行にしか過ぎないけれど、「来季 大谷ルール 採用決定」の見出しが、俺の目に飛び込んできた。
要約すると以下のような内容になる。
プロ、アマ合同の日本野球規則委員会が、同13日に都内で開かれて、先発投手が降板後も指名打者(DH)として出場を続けることができる「大谷ルール」を23年から、日本でも採用することが決まったという。
記事を読んで、驚いたのは俺だけだろうか。はっきり言って「ちょっと、待ってくれよ」と異議を唱えてみたくなるね。
アメリカでルールが改正されると、日本でもすぐに公認野球規則を変えてしまう。ひょっとしたら、野球の根幹を変えてしまうような、こんな大事な規則改正をわずかの期間で、有識者の意見もろくに聞かずに決めてしまって本当に良いのかね。はっきり言って俺は疑問に思うよ。
メジャーでは、ベーブ・ルースが記録した2ケタ勝利&2ケタ本塁打を104年ぶりに達成した、エンゼルスの
大谷翔平がいるんだけれど、日本にはいったい誰がいるっていうんだ。
プロ4年目の22年シーズン途中に野手から投手へ転向した
中日・
根尾昂にでも、大谷のような投打二刀流をやらせようというのか。そうでもなければ、22年のドラフト会議で
日本ハムが1位指名した日体大の
矢澤宏太に、投打二刀流をチャレンジさせようとでもいうのかね。
いずれにしても、日本には23年シーズンから、投打二刀流が期待できるような選手はいないのが現状だ。
メジャーで「大谷ルール」が制定されたのは22年シーズンから。大谷がメジャーで実績を残せるようになってから、5年目だよ。それなりに時間をかけて議論を尽くして、決めたはずだ。
ところが、日本では該当する選手が見当たらないにもかかわらず、安直に規則だけを採り入れようとする。大谷に匹敵する選手が出てきてから制定しても遅くはないんだからさ。もう一度、考え直してもらいたいものだね。
過去にアメリカで・・・
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