
先発ローテを守っている山崎伊はともかく、巨人で一軍レベルに達している若手投手は少ない。優勝争いに加わるには、「若手を育てながら勝つ」と言っている余裕はないはずだ
目標達成には様々な方法論が いまも見えない巨人の方向性
俺が大好きな富士山を例えに上げよう。山頂を目指すにしても、静岡側の富士宮ルートと御殿場ルート、須走ルート、さらに山梨側の吉田ルートの4つがあるじゃないか。
しかし、歩くだけが能じゃない。バスで5合目まで上がってから山頂まで歩くという手段もある。また、輸送機に搭乗して、上空から、いきなりパラシュートで降下するというド派手なやり方も考えられるからね。
要するに目標を達成するためには、さまざまな方法があるということ。しかし、今季の巨人からは目標達成のために必要不可欠な方法論がまったく見えてこないんだよ。
いくら開幕前に「リーグ優勝を目指す!」と言っても、「若手を育てながら勝つ!」とか「ベテランの力を使い切って勝ち抜く!」といった、チーム事情によって異なるいくつもの指針が見え隠れしているじゃないか。
ところが、いまの巨人には目標へ向けて、チームの現状にふさわしい戦い方と選手起用法がまったく示されていない。
単刀直入に言わせてもらえば、「なぜ、いまこのピッチャーを一軍で投げさせているんだ?」というケースがあまりにも多いからね。
今季一軍で2試合先発登板したプロ4年目のサウスポーの
井上温大は、素材は良いが、まだ一軍へ上げて結果を出せるようなレベルには達していない(成績は7月27日現在。以下同)。
今季、育成ドラフト1位で入団した
松井颯は、開幕早々に支配下登録された。5月21日の
中日戦(東京ドーム)で、5回2安打無失点に抑える好投を見せて、初登板初先発初勝利を飾った。でも井上とまったく同じ理由で、やはり一軍デビューはまだ早計だったと思うね。
球宴を挟んで、チームの勝敗は5割のラインを行ったり来たり。だから、はっきり言って、この状態で「チームの未来を担う若手を育てる!」などと悠長なことを言っている状況ではない。
早く借金を返済して・・・
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