
新井監督には伝統の育成力を大いに発揮して、再び広島の黄金時代を築いてもらいたい
後楽園球場で古葉監督の胴上げ! まさに「天国」から「地獄」に転落
いまでも、あのときの記憶が鮮やかによみがえってくるよ。正直言って、俺たちにとっては「悪夢」に近い光景だったね。
1975年10月15日に
巨人の本拠地・後楽園球場で広島が、球団創立25年目にして初のリーグ優勝を決めた。夕闇迫るグラウンドの上で、俺たちは広島・
古葉竹識監督の胴上げを見ながら茫然と立ち尽くしていた。
この年から巨人は
長嶋茂雄さんが新監督に就任した。ところが、期待を大きく裏切る最下位へ転落。わずか2年前の73年に前人未踏の9年連続リーグ優勝と日本シリーズ制覇を達成したチームとは思えない体たらくを演じてしまっている。
「天国から地獄」とはまさにこのことを言うのだろう。巨人V9時代には、毎年Bクラスが指定席だった広島が、俺たちの面前でリーグ初優勝を決めた。巨人は広島と立場が180度逆転してしまった現実を、まざまざと見せつけられたというわけだよ。
俺にとって広島は、リーグ優勝を達成してからの75年以降と、それ以前とでは、まったく異なるチームであるということになる。
どんなチームも一度リーグ優勝を経験すると、その味が忘れられなくなる。年俸も上がるし、多額の報奨金をもらうこともできる。「勝つ喜び」を知ることによって、「さらにもう一度!」という具合に選手たちのモチベーションも上がるわけだよ。
その結果、野球に対する意識が変わり、「勝利のために全員一丸となって戦う!」という姿勢も生まれる。
例えば・・・
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