
ドラフト6位で入団し、血のにじむような努力を重ねて名選手へと成長した現監督の新井貴浩は、広島の「スカウトの慧眼」と「育成力」を象徴する存在でもある
末包の伸びしろに注目した 慧眼スカウティングは広島のお家芸
「辣腕スカウトあるところに覇権あり!」
ペナントレースの大詰めを迎えても、
阪神に次ぐ2位を走り続ける今季の広島の躍進劇は、俺が冒頭に記した言葉が嘘ではなかったことを証明してくれている。
昨季の広島はBクラスの5位だからね。4年前には
丸佳浩が、2年前には
鈴木誠也が、FAとポスティングによって、
巨人とMLBのカブスへ、それぞれ移籍している。
その穴が埋められずに、今季も広島は貧打線に苦しめられてきた。その一方で、投手力はエースの
森下暢仁に加えて、先発はベテランの
大瀬良大地や
九里亜蓮のほかに、今季は
床田寛樹の覚醒によって昨季以上にレベルが上がっている。さらに中継ぎと抑えには
矢崎拓也、
栗林良吏、
島内颯太郎といった好素材が顔をそろえているから、今季の広島は「投手王国」の様相を呈している。
そこに来て、今季は貧打線を解消してくれそうな大砲候補が一軍で潜在能力を発揮し始めたからね。
先週もこの連載で、俺が指摘した外野手の
末包昇大のことだよ。東洋大から大阪ガスを経て、ドラフト6位で入団したプロ2年目の27歳。身長188cm、体重112kgの巨漢だけど、昨季は一軍レベルのピッチャーのボールがバットに当たらなかった。だが、今季は大きな進歩が見られる。来季は長距離砲として、広島打線の中核で、大爆発してくれそうな予感が漂うからね。
末包のように無名でも潜在能力の高い好素材を発掘してくることが、スカウトの使命だからね。それはいまも昔も変わらない、永遠不変のテーマであることは言うまでもない。
インターネットとかSNSを駆使した情報網が発達した現在では・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン