
原監督[左]との「クジ引き」には敗れたものの、肝心のペナントレースでは優勝。的確な選手の起用と、定石どおりの采配を振るった岡田監督の手腕には脱帽するしかない
嫌な予感がした1位指名選手の競合 巨人に外野手を獲る余裕はなかった!
実は昨年10月20日に行われたドラフト会議のときから嫌な予感がしていた。第1回選択希望選手の名前が読み上げられたときに、「
浅野翔吾、高松商業、外野手」の交渉権獲得を巡り、“意中の恋人”が重複する
巨人と
阪神は激しく火花を散らした。
それぞれが「交渉権確定」と書かれた封筒を取りにいくと、“当たりクジ”は
岡田彰布監督ではなく、
原辰徳監督の手中にあった。
特にスポーツ紙は「原と岡田のガチンコ勝負!」などと、面白おかしく書き立てている。しかし、俺は“先勝”した原巨人に大きな不安を覚えたね。
確かに浅野は将来性豊かな好素材であることは間違いない。そうは言っても、「いまの巨人に高卒外野手を獲得して、育てている暇があるのだろうか?」という思いが、正直言って俺の脳裏を過(よぎ)った。
何度も繰り返すが、いまの巨人はピッチャーの頭数が足りない。
菅野智之、
戸郷翔征、
山崎伊織、
フォスター・グリフィン、
ヨアンデル・メンデス、
赤星優志……。6人の先発ピッチャーの名前を挙げれば、その中で2人は新外国人だからね。エース・菅野は明らかに全盛期の力はない。プロ3年目の山崎伊にしても、1年間通してローテーションで投げるのは今季が初めてだ。プロ2年目の赤星だって、今季は5月下旬に二軍落ちして、一軍へ再び戻ってきたのは8月下旬だよ。もちろん新外国人にしても、日本で先発として1年間通して投げた経験はない。確実に計算できる先発ピッチャーは、昨年のドラフト時点でも戸郷1人だったということになる。
それなのに昨年のドラフトで、巨人は即戦力のピッチャーを上位指名で獲得しにいかなかった。いま、そのツケが大きく回ってきたと言っても過言ではない。
一方の阪神は浅野を獲り損なっても、ブレずに“外れ1位”で、中大に在籍する外野手の
森下翔太を獲りにいった。
森下は9月8日の甲子園球場での
広島戦で・・・
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