今季からMLBで導入されたピッチクロック。NPBでもいち早く採り入れることが必要なはずだ[写真=Getty Images]
米国に比べて進化の遅い日本野球 NPBのガラパゴス化が懸念される
海の向こうで歴史を育むMLBは、野球が日々進化を遂げているように思う。まあ、「ベースボールと野球の違い!」と言ってしまえばそれまでだけどね。
それにしてもNPBは、進化の速度が遅い。それどころか、世界の野球から取り残されているような気さえする。まるでNPBだけが、ガラパゴス化しているみたいだ。
今季からMLBで行われるようになったピッチクロックも、その一例だね。試合時間短縮の効果が確実に現れて、昨季まで平均3時間を超えていた試合時間が、今季は約2時間40分となり、24分もの大幅な短縮がなされている。
いまやピッチクロックは、アメリカではMLBは言うに及ばず、マイナー・リーグや大学野球にまで浸透している。
もう一度、MLBが定めたピッチクロックのルールをおさらいしてみたい。
投手はボールを受け取ってから、走者なしでは15秒以内に、走者がいる場合では20秒以内に投球動作へ入らなくてはいけない。これに違反した場合、自動的に「1ボール!」が追加される。
打者は、制限時間の8秒前までに打席へ入り、打つ準備を完了しなければならない。これに違反した場合、自動的に「1ストライク!」が追加される。
以上2つの項目を見ただけで、試合時間の短縮が十分可能になることがよく分かるよ。
NPBにも2009年に適用された「15秒ルール」がある。だが、似たようなこのルールはまったく効果を上げることがなかった。
ところが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)みたいな国際大会が頻繁に開催されるようになると、ルールも国際規準で統一しなくてはならなくなった。
昔から野球は国際オリンピック委員会(IOC)に「試合時間が長過ぎる!」と言われ続けてきた。そんな理由から、「7回で試合を終わらせてしまえ!」などという極端な議論が噴出していた。
だから、NPBも試合時間短縮へ向けて、大きく舵を切らなくてはいけない時期が来ていることは間違いないだろう。
社会人野球にしても、今年から・・・
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