
今季はオリックスが強さを見せて3連覇を飾ったパ・リーグだが、来季は実力伯仲のエキサイティングな展開が期待できるのではないか
26本塁打と87打点の数字でも“投高打低”の中では「天晴!」
前号で予告したとおり、今回は今シーズンのパ・リーグを振り返ってみたいと思う。
セ・リーグの
阪神と同様にパの覇者・オリックスも、圧倒的な強さを見せつけた。9月20日に、2位の
ロッテに14.5ゲームの大差をつけてリーグ3連覇のゴールを駆け抜けた。クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージでは、ロッテ相手に4勝1敗(アドバンテージの1勝を含む)で勝ち上がり、3年連続日本シリーズ出場を決めた。
パはDH制の野球だ。打撃が得意でない投手が打席に立たないから、“打高投低”だと誰もが想像してしまう。ところが、現実はまったく逆で“投高打低”の様相を呈していた。
打撃部門でパの首位打者は、打率.307のオリックス・
頓宮裕真だった。セの首位打者を獲得した
DeNAの
宮崎敏郎が残した打率.326と比べたら、2分近く低い数字だ。
最多本塁打は
楽天の
浅村栄斗、昨季まで
巨人に在籍していたロッテの
グレゴリー・ポランコ、
日本ハムから
ソフトバンクにFA移籍した
近藤健介の3人が、26本塁打でそれぞれ分け合っている。さらに近藤は87打点で最多打点も獲得した。
セの最多本塁打を獲得した巨人の
岡本和真の41本塁打と、最多打点に輝いたDeNA・
牧秀悟の103打点と比べても、はるかに少ない数字だ。
数字を見る限りでは、パの打者が「非力だ!」というように映るが、加えて投手力が上がっていることによる“投高打低”現象が、ここ数年間続いているというわけだよ。しかし、首位打者が打率.307、最多本塁打が26本塁打、最多打点が87打点という数字でも、タイトルはタイトルであることは紛れもない事実だ。
タイトルとは相対的にもたらされる結果だから、少ない数字でも、獲得した選手たちは「立派なタイトルホルダー」であることは間違いない。それがプロ野球界の常識。だから、「天晴!」と一言、声を掛けてやりたくなる。
今季のオリックスは・・・
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