2005年秋から、創設2年目を迎えた楽天監督に。阪神監督退任後、5年ぶりのユニフォームとなる。果たして最下位球団楽天を名将がどう変えるのか。南海監督時代の教え子でもある江本孟紀氏との対談をお届けする。 
野村氏に対してもまったく遠慮ない物言いをする江本氏[左]。だが、野村氏はむしろそれが気に入っていたようだ
野村野球なんてない
江本 今年の楽天は面白いですよね。監督が行って、楽天をどう変えるかっていうのは興味があるじゃないですか。
野村 万年最下位の阪神すら変えられなかったんだから。
江本 あそこは違うところですから。
野村 あんた、阪神のユニフォーム着てるから、分かるわな。
江本 監督ね、東京が長かったでしょう。もとは関西系の人でも東京から行くと意外とダメなのね。
野村 ちょっと自惚(うぬぼ)れて行ったんですわ。ヤクルトと同じやり方でやって何とか変わるだろうと思ったら、まるっきり受け付けなかったね。
江本 去年、サムライ・ベアーズが米独立リーグでやって帰ってきて、一番最初に阪神の二軍と試合させてもらったら、めちゃくちゃ強いんですよ。昔の阪神の二軍言うたら高校野球みたいなヤツがゴロゴロいたからナメてたら、歯が立たない。当時の木戸克彦二軍監督は、「僕の野球は、野村野球を目指している」と。ものすごく選手に厳しかったですよ。だから、3年間何もなかったわけではなくて、残ってるんです。
野村 俺自身は野村野球なんてないと思っている。野球が好きだということが大前提で・・・