年の瀬も押し迫った1998年12月28日、東京プリンスホテルで西武入団発表を行った松坂大輔。背番号「18」の真新しいユニフォームにソデを通して満面の笑みを浮かべた。プロへの第一歩を踏み出したこの日、週刊ベースボールは独占インタビューを行った。 
入団会見で東尾監督[左]とツーショット
やるからには高い目標を持つ
――正式に入団が決まった西武という球団には、一野球ファンとしてどんなイメージを持っていましたか。
松坂 小学校の終わりごろから、中学生ぐらいまでは、球場に野球の試合を見に行くことができたんですけど、あのころの西武というのは黄金時代というか、いい選手がいっぱいいて、いつも日本一になっているというイメージがありました。
――初めて西武の試合を見たのはいつだったか覚えていますか。
松坂 小学校5年のとき、近所の知り合いに誘われて、東京ドームに試合を見に行きました。プロ野球では、清原(清原和博)さんや桑田(桑田真澄)さんが僕の好きな選手だったので、清原さんが見られてよかったですね。西武が勝ったかどうかとか、試合の中身はよく覚えていないんですけど。
――ドラフトでは、ベイスターズが希望の球団だった松坂君としては、西武の指名は、正直言ってピンとこないものではなかったですか。
松坂 ドラフトのときは、確かにそうでしたね。記者会見でも「外れたなという感じ」と言いましたから。
――それが、何度か交渉を重ねていって、こうして入団を決めてみて、あらためて西武という球団に感じた魅力とはどんな点だったのですか。
松坂 若い選手が中心になって、連続優勝していますから、今、これだけ強ければ、強い時代がさらに長く続くんじゃないかというところに魅力を感じました。
――東京の下町で育ったのに横浜高校という神奈川県の学校に進んだのも、強いところでやりたい、一番上を目指したいという気持ちが感じられますが、今回の決断にも共通するものがありますね。
松坂 高校へ進むときは全然騒がれませんでしたけどね(笑)。中学で知り合った小山(小山良男。捕手)や小池(小池正晃。外野手)なんかのすごいヤツらが横浜高へ行くと聞いたので、みんなが集まるんなら全国制覇も夢じゃないと思ったから自分も横浜高に決めたんです。やっぱり、やるからには高い目標を持つんだということは自分でもいつも自然に考えていることです。高い目標を持つことになると、それだけ練習をしなきゃいけないということが分かりますし、普段からの取り組みも違ってくると思います。
――入団発表でも・・・