2015年、メジャー・リーグから9年ぶりにソフトバンクで日本球界に復帰した松坂。鷹の18を背負いながら移籍1年目のキャンプで開幕先発ローテーションに入るべく、精力的に練習に励んでいた。その胸の内を西武時代にコーチとして接した荒木大輔氏が鋭くえぐった。 
(左)荒木大輔[野球解説者]、(右)松坂大輔[ソフトバンク]
意識のレベルの高さ
荒木 新しいチームでキャンプを過ごして、感じるものはある?
松坂 ソフトバンクはとにかく、みんな明るいですね。若い選手が多い中でベテラン選手もちゃんとチームの中心にいて、バランスの良いチームという印象です。まとまりもあって、僕もすごく入りやすかったです。
荒木 勝利への意識の強さがある。
松坂 見ていても、みんな目的意識を強く持って練習していると思うし、その意識のレベルの高さを感じます。
荒木 そして、選手層が厚い。当然、自分が先発の枠に入るつもりでやっているんだろうけど、先発投手にしても頭数はたくさんいる。
松坂 ええ、先発ローテーションの一人としてやるつもりではいます。だけど、自分がそう思っていたとしても決まりだとは思っていません。それくらいのメンバーがいることは周りを見れば分かります。これだけピッチャー陣が充実しているとブルペンに入ってもすごく張り合いがありますよ。キャンプではブルペンの横にスタンドを造ってファンの方が見られるようになっていますけど、ソフトバンクのブルペンは一つのショーになる。それくらい熱気があるし、良いボールを投げるピッチャーがたくさんいます。
荒木 西武時代とは違うな。
松坂 そのころからホークスの投手陣はすごくて、東尾さん(東尾修、監督)にもよく「西武のピッチャー陣の中では張り合いがないだろうから、ダイエーのブルペン行って来い」って言われていました。
荒木 9年ぶりに日本でプレーするにあたり、いろいろな部分でアジャストが必要になると思うんだけど、まず、マウンドの硬さについては?
松坂 五十嵐(五十嵐亮太)さんは硬いマウンドから多少、軟らかいマウンドになる、その対応が難しいところがあったと言っていたんですけど、僕は・・・