
史上20人目、左腕では4人目の通算3000奪三振を達成したカーショウ。1シーズンで200イニング以上を5度記録するなど多くのイニングを投げ三振を奪ってきた。ここ最近は200イニングを投げる投手が少なくなっている。今後3000奪三振を達成する投手は果たして現れるのだろうか
ドジャースのクレイトン・カーショウが7月2日のホワイトソックス戦に先発。6回裏二死から、ヴィニー・カプラを85マイルのスライダーで見逃し三振に仕留め、通算3000奪三振を達成した。本拠地ドジャー・スタジアムは大歓声に包まれ、カーショウがゆっくりとダグアウトに向かって歩き始めると、スタンドのファンは総立ちの拍手で祝福。
カーショウは三塁線を越えたところで帽子を取って観客に一礼し、その後はチームメートや
デーブ・ロバーツ監督と握手やハグを交わした。3000奪三振は史上20人目だが、その中でも左腕では4人目となった。C.C.サバシア、
ランディ・ジョンソン、スティーブ・カール
トンに続く快挙である。しかも、キャリアを通じて唯一所属した本拠地・ドジャー・スタジアムでその記録を達成した。
カーショウがメジャー・デビューを果たしたのは、2008年5月25日、20歳だった。以後長くエースとして君臨した。シーズン30試合以上先発が6度(最多は33試合)、200イニング以上が5度(最多は236イニング)、200奪三振が7度(最多は301三振)、20勝達成は2度である。
現地メディアではこの偉業を祝福するとともに、今後3000奪三振投手は出ないのではと報じている。現役ではジャスティン・バーランダー(3471個)、マックス・シャーザー(3419個)に続くことになるが、その次となるとブレーブスの
クリス・セールで現在2528奪三振だが36歳で、このまま体調を維持できるかどうかは分からない。21年から23年はケガで31試合しか登板できず、182奪三振だった。
ヤンキースのゲリット・
コールは34歳で2254奪三振だが、今年3月にトミー・ジョン手術を受け現在リハビリ中。25年は全休だし、翌26年もおそらく復帰はシーズン半ばで、戻ってもすぐに全盛時のように投げるとは思えない。27年は36歳で果たしてそこからどれだけ、数字を伸ばせるのか。
ほかすでに2000奪三振を超えているのは41歳のチャーリー・モートン(2124個)と38歳の
ダルビッシュ有(2007個)である。そのあとは1000個以上の三振を奪った投手が27人いるが、すでに30代。20代の最多は29歳の
ディラン・シースの1133個でまだ3000奪三振の半分にも届いていないのである。
問題は今の投手は何よりも「速さ」と「鋭い変化」を求め、1球1球目いっぱい投げていること。だから長いイニングを投げられないし、ベンチも早く交代させる。今年のメジャーにはパイレーツの
ポール・スキーンズ、
ブルワーズのジェーコブ・ミジオロウスキーという23歳の剛腕2人が100マイル以上をコンスタントに投げ、ファンを熱狂させているが、彼らが3000に届くのは難しいかもしれない。
カーショウは1シーズン200イニング以上を毎年のように投げることが普通だった世代の、最後の生き残りなのである。ちなみに勝ち星もそう。42歳のバーランダーは通算262勝。カーショウと今月41歳になるシャーザーはいずれも216勝。その次は153勝のコール、143勝のセール。30歳未満の投手の通算最多勝は28歳の
ローガン・ウェブで通算63勝なのである。
文=奥田秀樹 写真=Getty Images