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【MLB】ドジャースとパドレスは「ストリートファイト」 感情がぶつかり合う対決

 

ナ・リーグ西地区の優勝争いをするパドレスのシルト監督[手前]とドジャースのロバート監督。両チームは昨季の地区シリーズで戦い、激闘の末、ドジャースが勝ち進んだ。ドジャースの地区4連覇を阻止するため、パドレスは7月に積極的な補強を行った


 ドジャースとパドレスのカードは、かつてのヤンキース対レッドソックスのような激しく感情がぶつかり合う戦いになっている。6月は7試合で両軍合わせて11死球という事態に発展。パドレスはフェルナンドタティス・ジュニアが3度も死球を受けたことに強く反発、ドジャースも大谷翔平が2度ぶつけられたことに怒った。マイク・シルト監督はデーブ・ロバーツ監督に怒声を浴びせ、ロバーツ監督も応戦、シルト監督に詰め寄った。その瞬間、両軍ベンチは総出に。

 そして8月、パドレスはかつて絶望的と思われた9ゲーム差をひっくり返し、地区首位に立ってロサンゼルスに乗り込んできた。しかしながら3連敗、だが現地時間8月22〜24日はサンディエゴで再び3連戦がある。筆者は8月のこの両カードを取材しているが、現時点での結果がどうであろうと、地区優勝は162試合目までもつれると思っている。

 根拠はパドレスに執念を感じるからだ。ロバーツ監督は「すべては彼らがわれわれを追い抜こうとしていることに始まった。この10年、われわれは地区を支配してきた。だが彼らは我々を超えようとして、それが感情を引き出している」と説明した。

 パドレスのチームリーダーはマニー・マチャドだ。2018年に半シーズン、ドジャースでプレーした後、パドレスと長期契約を結んだ。それからの6年間、パドレスはマチャドの激しい闘志を映すようなチームに作り上げられていった。パドレスは「スラム・ディエゴ」の異名を受け入れ、目に見えて闘志むき出しの姿勢を打ち出した。バットフリップも挑発も、ファンを煽ることもためらわない。

 そして編成部門のA.J.プレラーGMが、今勝つために全力を尽くす。ドジャースが層の厚みを保つべく、マイナーの若手有望株を簡単には手放さないのと対照的に、スター候補を惜しげもなく放出してしまう。7月末、5件のトレードが成立、計22選手が動いた。すでにリーグ最高のブルペンを擁していたのに、球界最速のクローザー、メイソン・ミラーを獲得した。正捕手にはフレディ・フェルミンを補強。

 さらに7〜8人で回していた打線に厚みを与えるべくライアン・オハーンとラモン・ラウレアーノを加えた。ほか、先発にJP・シアーズとネスター・コルテスを加えた。こうした補強の一方で、14人の若手選手を放出した。その中にはMLB全体でトップ5と評価されていたレオ・デ・ブリースも含まれていた。

 パドレス自体はお家騒動が起きている。最大の支援者だったピーター・サイドラーオーナーが23年11月に死去。それ以降、膨らみすぎた年俸総額を大幅に削減、さらにサイドラーの未亡人と2人の兄弟との間で法的紛争が続く。それでも現場は戦いに集中している。

 一方のドジャースは王者であり、普段は感情を出さずにプロフェッショナルに戦っている。しかしながらパドレス戦となると別だ。1年前、ナ・リーグ地区シリーズでいったん1勝2敗と崖っぷちに追い詰められ、第5戦を迎えたとき、ロバーツ監督は「ストリートファイト」に例えた。路上で起きる素手の乱闘。今年も熱いドラマが待っている。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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