オープン戦も始まり、約1カ月後にはシーズンが開幕する。各チーム、どのような形でスタートを切るのか、これから徐々に全容が明らかになっていく時期だ。激しさを増すポジション争いの中で求められる存在感。リーグ連覇を狙うソフトバンクでは、3年目の左腕がエースの背中を追って確固たる地位を築こうとしている。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭 
時折見せる明るい表情からも順調な調整ぶりがうかがえる
分析→改善→結果
注目度の高さは若手投手の中でも群を抜いている。今春のマウンドで見せる姿はもちろん、インタビューの受け答えからも、松本晴自身が3年目の松本晴に期待感を抱いていることは明らかだ。まずは開幕先発ローテーション入りへ、いい状態を維持して、ひたすらに突き進む。 ――この春はどんなテーマを持って臨んでいますか。
松本晴 オフシーズンからの引き続きのテーマが『NO.1ピッチャー』で、まずはこのキャンプで“1位”を獲る。仕上がりを早くして、NO.1のパフォーマンスを見せるというのが目標ですね。
――「NO.1」というのは具体的には?
松本晴 周りの反応を見たら分かると思いませんか。誰が見ても「このピッチャー、一番いいな」ってあるじゃないですか。キャンプ期間で「松本晴がNO.1やったな」と、みんなから思われるピッチャーを目指しています。
――ここまでを振り返ってみてはいかがですか。
松本晴 いいステップを踏めていると思いますね。まだNO.1は獲ってはいないですけど、順調に来ています。ブルペンから紅白戦、オープン戦も、結果ではなくてフォームとか感覚とか、自分のやりたいことができたかとか。そういうのを踏まえた上で、結果がどうかという話なので。やりたいことはやれている。もちろん修正する部分はあるんですけど、いい段階ですね。
――すでに全力で挑んでいるのでしょうか。それとも、開幕を見据えた上で、逆算して調整を続けていますか。
松本晴 あまりキャンプで出し切るというイメージはなくて。キャンプも強化期間みたいに考えています。だから、感覚的なところで言うと、自主トレとそんなに変わらないんですよね。昨季が終わる前、日本シリーズのときから、自分の中でいろいろと試しながら「もっと良くなるために」というのを追求していって、そのままキャンプインして。なので、今もより良くなるために練習を繰り返して、「これは良くなかったな、明日修正しよう」と日々、やっていっている。結果ではなくて、自分のパフォーマンスを上げようと練習をしていて。その“実験結果”が、例えば試合とかライブBP(実戦形式の打撃練習)なんですよね。
――取り組んでいることの“答え”を確かめているのですね。
松本晴 そうです、そうです。「これは良かった!」「これはあんまり……」というのを自分の中で分析して、改善からの結果。また分析→改善→結果……というのを繰り返しやっている感じです。
――その過程で新しい取り組みを試してみるということも?
松本晴 全然ありますよ。オフシーズンから・・・
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