寄せられる期待が大きくなるのは間違いない。エース・山本由伸がメジャーに移籍するとなれば、期待も重圧も大きくなる中で来季の目標に15勝を掲げた左腕の胸中は──。背中を追ってきた絶対エースについて語りつつ、2024年への思いを隔週で連載中のコラム『一生百錬』の特別版としてお届けしよう。 
いつも笑顔の由伸さん。それは余裕ではなくて、重ねた努力の形のようにも映るんです
初対面のあいさつで
第一印象を今でも覚えているのは、驚きがあったから。山本由伸さんと初めてお会いしたのは、入団1年目の2020年の入寮直後のこと。由伸さんが舞洲に来られたときに「沖縄の興南高校から入団した1年目の
宮城大弥です。これからよろしくお願いします」とあいさつに行きました。すると、ビックリするくらい丁寧に、こう返してくださったんです。
「4年目の山本由伸です。こちらこそ、よろしくお願いします」
前年の19年に最優秀防御率(1.95)のタイトルを獲られた一流投手が、まだプロとも言えない高校生の僕に対しても、すごく丁寧にあいさつしてくださったんです。それも、よそよそしい感じ、距離が遠い感じもなく、すごく優しい雰囲気で。えっ!? なんで僕なんかに?──そう驚いたのをよく覚えています。
もちろん、ピッチャーとして尊敬できる点はたくさんありますが、一人の人間として立ち居振る舞いに感銘を受けたんです。今ではイジられることばかりですが(笑)、初対面から優しい先輩、頼れる先輩という雰囲気を前面に出していただいたからこそ、距離が近づいていったと思うんですよね。それに1年目(20年)の10月に初めて一軍に上がるときに連絡させていただいたことも覚えています。
「一軍に上げていただくことになりました。初めての一軍なので、分からないことばかりですが・・・
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