データが、アナリストが、日本の野球界を大きく変え始めていることが分かる好著
広尾晃『データ・ボール』(新潮新書)を面白く読んだ。「トラックマン」「ブラスト」「ラプソード」……様々な機器が急速に進化・浸透して、日本の野球を変えているさまが、克明に記されている。
読んでいて感じ入ったのは、これらの機器を用いて集めたデータを、選手やコーチ陣に伝えるときのアナリストの気苦労だ。特に精神論・根性論べったりの旧世代コーチ陣に煙たがられる場面は、まるで他人事には思えなかった。
というのは、私自身「広告会社のマーケティング担当」という変わった職場で働いていたから。データ分析の結果で、文系脳・感覚脳べったりの広告制作スタッフを説得する気苦労をずっとしてきたのである。だから「頑張れアナリスト!」と言いたくなった。
さて、第9章で丁寧に説明されている「OPS」やら「WHIP」やら、セイバーメトリクス指標の説明を読んで、自分でも指標を作りたくなってしまった。広告会社時代も市場の見方を新しくするような独自指標を・・・
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