
さまざまな「月齢」の物語を抱えた選手たちが競い合うから、プロ野球は楽しい[注・本文はフィクションです]
9月7日の日曜日、横浜の夜空に光っていたのは「14番目の月」だった。厳密には月齢が「14.9」。それが「15.9」となる翌日8日が満月。その前日だから、ほぼほぼ満月ということになる。
「14番目の月」は荒井由実の曲名でもある。「つぎの夜から 欠ける満月より 14番目の月が いちばん好き」と歌われる。
ピッチャーFは、マウンドから、大きく息を吸って、月を見上げる。
関西では今夜、かつてFが所属していた球団が、優勝を決めるかもしれないという。しかし、そんなことは関係ない。アメリカ帰りの自分を歓迎してくれた横浜のチームのために、精一杯投げるだけだ。
関西の球団に入団したときは鳴り物入りだった。今や国民的英雄となったOよりも騒がれ方は上だった。
入団から3年連続2ケタ勝利。適度な荒れ球も強味として働いた。しかし・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン