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ドジャース・大谷翔平 気持ちは常に前に「一本打ったら次の一本ということが大事だと思う」

 

松井秀喜氏に並ぶ日本人メジャー通算175本塁打を放った大谷。この日は2本の二塁打も放ち、日米通算1000安打を達成。水原容疑者の件もありながら、強い精神力を見せた


【2024年】18試合25安4本10点2盗、打率.338(現地時間4月15日現在)

 また一つ歴史に名を刻んだ。ドジャースの大谷翔平は現地時間4月12日に本拠地ドジャー・スタジアムで行われたパドレス戦の1回、今季4号ソロを放ってメジャー通算175号に到達した。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の持つ日本人選手最多記録に並んだ。

「長距離の打者として、日本でもちろん僕が小さいころからずっと見てきた。同じ左打者としてあこがれているような存在ではあった。そういう方に記録で並べたというのは、自分にとって幸せなことだと思う」と喜びをあふれさせた。

 とらえたのは外角高めの真っすぐ。見逃せばボール球のコースだったが、逆らわずに打ち返して左中間席へと運んだ。電光掲示板に英語で「おめでとう」と表示される中、軽やかな足取りでダイヤモンドを一周した。「難しい球ではあったので、いいスイングの軌道だと思う」と一定の手応えを口にしつつ「ボールは見逃すのが鉄則。その観点で言うと手は出ているので、いいところと悪いところがある」と貪欲な大谷らしく反省の弁も添えた。

 エンゼルスに在籍してア・リーグの本塁打王に輝いた昨季まで、3年連続で30本塁打以上をマーク。日本人はパワーで劣るとされてきたMLBで、これまでの常識を覆すように本塁打を量産してきた。今回、日本人トップに並ぶ数字に達し「個人的にももちろんうれしいが、日本の野球界にとっても大きいことだと思う。(自分は)体も大きいし、長打というのが一つ売りではある。そこの強みをまず生かしていきたい」。難題をクリアしながら一本ずつ積み重ねてきた自分に誇らしげだった。

 くしくもこの日は銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者が、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した日だった。3月の韓国での開幕シリーズ中に発覚した元通訳による違法賭博問題が区切りを迎えた中で節目のアーチを描いた。試合前にはロサンゼルス・タイムズ紙の取材に「捜査に大変感謝している。個人的にはこれで一区切り。野球に集中したい」と語った。

 さらに快音が続いた。5回には左翼線二塁打で日米通算1000安打に到達。7回にはパドレスの松井裕樹から右翼線に痛烈な二塁打を放った。左へ、右へ広角に打ち分ける今の打棒に死角は見当たらない。2本の中飛もとらえた当たりだっただけに「アウトになっている打席もいいというのが一番。それだけ(安打の)チャンスになると思う」と自賛した。

 12日まで8試合連続安打とした背景には、一風変わった調整法があった。7日のカブス戦では降雨により試合が中断している間に、野球の仕様よりも太いクリケットのバットで振り込み、とらえる感覚を養った。「面になっている。握ったときに良さそうだなというか、練習の一環として良さそうだなと思ったのでやった」と説明した。

 絶好調の大谷には、さらなるアーチの上積みが期待される。「次の一本、次の一本というのが基本的な考え方。どこかを目指すというわけではなくて、一本打ったら次の一本ということが大事だと思う」。野球の求道者にとって175本塁打も通過点。気持ちは既に先へ向かっていた。

チームメートと一体となって次の勝利を目指している


文責=メジャーリーグ編集部 写真=Getty Images

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