5年ぶりの優勝を狙う西武の最大のストロングポイントである投手陣。近年、急速に力をつけてきたが、その裏には一体、何が隠されているのか。ライオンズ投手王国への道を追う──。 取材・文=中島大輔 写真=高塩隆 
「1球への思い」が自身のレベルアップにつながっていると実感している田村
「ピッチャーがいてもなかなか勝てない」
交流戦開幕までの45試合終了時点で15勝30敗。“100敗ペース”と言われるほど黒星を重ねる今季の西武は4カードぶりに3連戦勝ち越しを決めた5月26日
オリックス戦(ベルーナ)後、
松井稼頭央監督の休養と
渡辺久信ゼネラルマネージャー(GM)の監督代行兼任を発表した。
編成部門トップという一歩引いた立場から見てきた渡辺GMはチームの戦いぶりを踏まえ、再建に必要なポイントをこう語った。
「野球界では『いいピッチャーがそろっているチームは大きな連敗をしない』と言われますが、やはり点を取らないとなかなかうまくかみ合わない。ピッチャーがいてもなかなか勝てない、連敗することを実感しています。やっぱり攻撃陣。何とかして1、2点をもぎ取っていく。相手チームに『西武はいやらしい』と思わせるチームをつくっていきたい」
交流戦開幕までのチーム成績は総得点118、打率.214でともにリーグ最下位。総失点167、防御率3.29はいずれも同5位だ。
今季開幕直後は投手力を武器に3カード続けて2勝1敗と好発進したが、セットアッパーの
甲斐野央、先発で防御率1点台の
平良海馬がケガで離脱もあって連敗の泥沼にハマっていく。穴の空いた投手陣は少ない得点を守り抜く重圧もあったはずだ。
勝ちパターンの
本田圭佑と
水上由伸、新外国人ジェフリー・ヤンと元守護神・
増田達至は状態を上げられずにいずれも二軍へ。構想の狂ったブルペンは後手の継投を強いられ、新クローザーのアルバート・アブレイユは交流戦までに4敗を喫した。前評判の高かった投手陣で交流戦まで期待される成績を残したのは開幕投手の
今井達也と新人の
武内夏暉のみで、貧打の打線と共倒れした格好だ。
逆襲へ現実的なのはブルペン陣の立て直し
投手王国で常勝西武復活へ──。
渡辺GMはそう構想し・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン