
スティーブン・ボート[監督]
今回はア・リーグの最優秀監督に選出されたガーディアンズのスティーブン・ボート監督を紹介する。BBWAAの投票で満票30のうち1位票27を獲得。ガーディアンズ(旧インディアンス)からは2007年のエリック・ウェッジ、13、16、22年のテリー・
フランコーナに続き3人目の5度目。
1984年11月1日、カリフォルニア州バイセリア出身。07年、デビルレイズ(現レイズ)のドラフト12巡目で入団。右投げ左打ちの捕手、一塁手、外野手で12年から22年までレイズやアスレチックスなどでプレー。オールスターに2度選出された。通算794試合で560安打、82本塁打、313打点、打率.239。現役引退後の昨季はマリナーズでブルペン兼クオリティーコントロールコーチを務め、今季から現職。現役を退いて2年後の最優秀監督選出は史上最短となった。
1年目での受賞は史上3人目
ボート監督は今季就任。昨季まで11年間で6度プレーオフに導いたフランコーナ監督の後を継いだ。1年目で最優秀監督に選ばれるのは、ア・リーグでは15年のレンジャーズのジェフ・バニスター、19年ツインズのロッコ・バルデリに続いて3人目である。
ボート監督 この賞は球団の全員が成し遂げたことに対して与えられたものだ。私が就任した1年前を振り返ってみると、球団からしっかりしたサポートを受けてスプリングトレーニングに臨むことができた。そのときのプランをコーチ陣や選手たちが実践してくれた。その結果だと思う。
──昨季のガーディアンズは76勝86敗でア・リーグ中地区3位だった。ボート監督は2年ぶりのポストシーズン進出を目指したが、エースのシェーン・ビーバーが2試合に登板しただけで右肘を痛め、トミー・ジョン手術を受けて離脱と試練のスタートとなった。それでもベン・ライブリーが自身初の2ケタ勝利となるチーム最多の13勝、2年目のタナー・バイビーも12勝。また3年連続セーブ王のエマニュエル・クラセや新人のケード・
スミス、2年目のティム・へリン、3年目のハンター・ガディスといった若い救援投手が活躍。最終的に2位タイガースに6.5ゲーム差をつけて地区優勝を飾った。
ボート監督 毎日試合をしていれば、いい日もあるし悪い日もある。必ずしも100%の力が出せるわけではない。しかし、メジャーの監督の目標は常に100%の力を出すことだ。いつも全力を出せる人たちは尊敬する。それは選手たちである。監督業のいいところは、自分自身のことでなく選手たちの成功を共有できることだ。監督にできることは、選手たちが力を発揮できるような環境を作ってあげること。それしかない。だから、選手たちの成功を見るのが最高の瞬間なんだ。
ガーディアンズが最後にワールド・シリーズを制したのは、インディアンス時代の1948年。現在、世界一を経験した球団で最も栄冠から遠ざかっている。ボート監督の来季の目標は、78年ぶりの制覇だ。
取材・構成=樋口浩一 写真=Getty Images