週刊ベースボールONLINE

能見篤史コラム

能見篤史コラム 第1回 ワインドアップ「腕を伸ばせばシルエットは2メートルを超える。こだわったのは、それがすべて」

  2

自らの経験談に加え、グラウンド外から見えた新発見も! 今春から侍ジャパンの投手コーチに就任した“能見さん”が、多角的な視点で私見を綴る隔週連載コラムが今号からスタート。最初のテーマは、自身の代名詞でもあった『ワインドアップ』だ。

プロ入り後にワインドアップを取り入れた理由は、投球そのもののメリットに加え“打者の目”を意識してのこと


視点を変える大切さ


 視点を変えれば、気づきも変わる。新たな気づきは、異なる考えにつながっていきます。とはいえ、分かってはいるけど、どうしても見えないことだってある。僕自身、マウンドからの景色は、イヤというほど見てきましたが(笑)、球場全体を見る機会なんて皆無でした。全体を俯瞰(ふかん)して見るというのは、ユニフォームを脱いで、試合の解説を務めさせていただいてから。新鮮というか、視点が変わったことで、いろんな考えが出てくることも少なくないんです。

 “発見”というと、どこか大げさですが、知っていれば現役のときに──と思うこともあるんですよ。と、前置きが長くなりましたが、今回から隔週で僕なりの“気づき”を、経験談を交えながら話させていただきます。異論、反論があって当たり前。考えが人それぞれ違うのは、それこそ視点が違うからです。“そういう着眼点もあるのか”と思っていただきながら、お付き合いください。

 ユニフォームを脱いでからの“気づき”の一つに、野手の動きがありました。1球1球カウントに応じたり、打者の傾向やスイング、風向きなど、いろんな判断材料を基に微妙にポジショニングを変えている。もちろん現役時代も理解していました。でも、実際に自分の目で見ることはできません。だから「自分のときはどうだったんだろう」と考えたりもしたんです。そもそも野手の動きには、データだけではなく、直感・嗅覚に近いものも絶対にある。動きの理由を聞けば、打たせる意識が変わっていたかもしれない、もっと違った攻め方ができたのかもしれないなって。読者にピッチャーをやられている人がいれば、自分の投球の映像だけでなく、野手も映った全体の映像を見てみると、新たな気づきや発見があるかもしれませんよ。それが、ピッチングのヒントになることだってあるわけです。

 またまた前置きを続けてしまいましたが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

能見篤史のノウミ発見伝

能見篤史のノウミ発見伝

能見篤史が、多角的な視点で私見を綴る隔週連載コラム。自らの経験談に加え、グラウンド外から見えた新発見も!

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング