鈴木将平(静岡高)・攻守走に高い理想を掲げる求道者

取材・文=岡本朋祐
名門・静岡高で1年夏からレギュラー、2年夏まで3季連続甲子園出場。この1年間は全国舞台へ進めなかったが、国際試合で評価を決定的とした。「甲子園に出ていない組の代表としての責任と使命がある」。侍ジャパン選出以降、
鈴木将平は求道者のような発言を繰り返した。
不動の三番として、香港との一次ラウンドではチーム初本塁打(高校通算21号)。50メートル5秒8の脚力ながら決して“当て逃げ”はしない。フルスイングを貫き、逆方向の打球への強い打球に、好きな選手がマリナーズ・
青木宣親という言葉にも、説得力があった。振り抜いた二ゴロで、一塁到達3.95秒はプロの一流レベル。打撃より「足を生かした守備と走塁」にこだわりを持ち、中堅手のベストナイン受賞。プロ志望届を提出する見込みだ。
PROFILE すずき・しょうへい●1998年5月20日生まれ。静岡県出身。174cm75kg。今泉小時代は今泉少年野球スポーツ少年団に在籍し、吉原第二中時代は静岡蒲原シニアで3年春に全国大会8強。静岡高では1年春からレギュラーで同夏から2年夏まで3季連続甲子園出場。3年夏は県大会4回戦敗退。
藤嶋健人(東邦高)・台湾の地で投打にレベルアップ
開幕2日前、台中棒球場は“緊急特訓”の場と化した。大藤敏行ヘッドコーチが
藤嶋健人のフォーム修正に着手。愛知ではライバル関係にある中京大中京高元監督が東邦高の主砲へ、技術を惜しみなく伝授した。
高校通算49本塁打の打撃にも定評があったが、国内3戦で7打数無安打。「僕の打ち方は金属打ち。さすがにへこんだ」。上体が本塁ベース側面へ突っ込む悪癖を、構える際に背筋を伸ばし、ノーステップにしたことでコツをつかんだ。右ヒジ痛の影響もあり、大会序盤は野手に専念していたが、インドネシア戦で先発を任され5回参考の完全試合と復調を印象づけた。終盤2試合は先発から外れたが、ムードメーカーとしてチームを鼓舞。「プロ1本で考えています」と、投手としてドラフトを待つ。
PROFILE ふじしま・けんと●1998年5月8日生まれ。愛知県出身。176cm75kg。右投右打。小学2年で軟式の栄ドリームズで野球を始め、中学では東三河ボーイズに所属。東邦では1年夏から甲子園で勝利投手となり、“バンビ二世”として話題を集めた。2年秋の新チームからは主将、エース兼四番をこなし、3年春のセンバツは2回戦進出。今夏は2年ぶりの甲子園出場へ導いた。