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創価大からは東北楽天2位で、創価高から一緒にプレーしてきた右腕・池田隆英(左から3人目)も指名を受け、4年間指導してきた岸雅司監督(左端)も二重の喜びとなった
会議直前まで貫いた“ストイック”な姿勢
自分に向けられているマイクを何度も小突く。ほどなくして、息をつくと、周囲を見渡す。それでも、口は真一文字に結ばれたまま。ドラフト会議開始10分前の16時50分に会見場に現れた、今年最大の“目玉”である
田中正義は、マウンドでは決して見せることのない落ち着かぬ様子で、“そのとき”を待っていた。
「あまり(ドラフトの)情報は見ていないんです。でも、今日の朝は見ました。新聞の一面に(名前が)出ていて。そんな選手じゃないのに」
この日ばかりは意識せずにはいられなかった。一時は「12球団競合」とまで言われた最速156キロの剛球が武器の超逸材。世間の関心は、右腕の進路に集まった。そんな自身の将来を大きく左右する日。珍しく「緊張しました」というのも無理はない。
だが、会議開始の数時間前までは“ストイック”な面を貫いていた。午前中はいつもどおり練習をこなし、その後にジムへと向かい約2時間ウエート・トレーニングで汗を流した。その行動は高校3年時、そして大学での4年間を肝に銘じているからこそ。創価高3年時に右肩を痛め、最後の夏は外野手として出場。大学では投手一本を貫いて成長を遂げたが、今年2月に右肩に違和感を覚え、4月には「右肩関節の炎症」を発症している。実は、昨年の10月からの2カ月間「筋肉を付けずに、しならせるように腕を使いたい」と、自らの判断でウエート・トレーニングを辞めた。これが炎症の原因だと、創価大の岸雅司監督は言う・・・
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