未完の大器が今春、ついにベールを脱いだ。高校時代は3年夏の県大会に登板することなく敗れ、大学でも3年間、不遇の時間を過ごした。努力を重ねたラストイヤーに才能が開花。最速157キロ! その可能性は大きく広がる。 取材・文=大平明、写真=井出秀人 
大学ではリーグ優勝の経験がない。今春も関甲新リーグは上武大が制し、ラストシーズンとなる今秋、自身初の優勝と全国大会出場をかける
「160キロも出ると思います」、規格外のポテンシャル
今年のドラフト候補に挙げられる投手には最速150キロを超える選手が数多くいるが、その中でもスピードキングとしてクローズアップされているのが白鴎大の
中塚駿太だ。今春の関甲新学生リーグの関東学園大戦では自己最速の157キロをマーク。球速のみを見れば、現時点でMAX156キロの
田中正義(創価大)をも上回った。もちろん中塚自身も一番の武器はストレートだと自負している。
「直球には自信を持っているので、基本的に真っすぐ主体でガンガン押していくピッチングをしています」 また、スケールの大きさを感じさせる体格は、間近で見ると縦も横も厚みがあり、太ももはまるで丸太のよう。それでも依然としてトレーニングの必要がある、未完成の体だという。
「まだまだ脂肪が多いんですが、この冬は走り込みやスクワットをやった効果もあって、球速は順調に上がってきています。これからも真剣にトレーニングをしていけば、160キロも出るんじゃないかと思います」 白鴎大の黒宮寿幸監督も「今は彼の能力に筋力や腱の強さなどが追いついていないところがあるので、持っているポテンシャルの80%くらいしか出せていません。でも・・・
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