監督やコーチがノックを打つ際に使うノックバット。選手が使う普通のバットとは形状、重さが異なり、1本1本にノッカーの主張が反映されている。 取材・文=滝川和臣、写真=井田新輔 ノッカーのこだわりが凝縮、力を効率よくボールに伝える

ベンチ前に並べられた長さや形状がさまざまなノックバット。右から3本目が上田コーチのバット。右端は三浦大輔兼任コーチ仕様、右から6本目がラミレス監督仕様
ノックを打っているノッカーのバットに注目すると、普通のバットより細身な物を使っているのが目に留まる。一般的にノック専用に作られたノックバットは軽く、細く、扱いやすく作られている。重心がバットの先端にあるのでヘッドを“走らせて”スイングでき、力を入れなくとも飛距離と打球の速さを生み出すことができるのが特徴だ。
DeNAの
上田佳範外野守備走塁コーチは、今季、外野ノックを担当している。
「外野手へのノックはある程度の飛距離が必要ですが、とはいってもオーバーフェンスする打球は必要ありません。力を効率よく伝えることに特化したバットです。先に重心があるので、スーっとした打球が打てます」と説明する。

表面がひび割れてくるのでシーズンを通して2本ほど使う。ビジターとホームで使い分けている
練習や試合が休みでない限り、コーチは毎日バットを握り、1日に何百球とノックを打たなければならない。毎日、目いっぱいの力でノックを打っていたら体がもたないだろう。それゆえの“省エネ”なのだ。プロのノッカーは専用のノックバットを用意するこだわりの世界。2009年からコーチという立場で指導にあたる上田コーチは、最近になりようやく自分にぴったりの1本に出合ったという・・・
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