九州地区高校野球の“球春”は早い。鹿児島大会は3月20日の開幕だ。私学のれいめい高は今夏、前身の川内実高として出場した1980年夏以来の甲子園を目指している。同校の注目は昨秋の県大会で8強へ導いた148キロエース。190センチの長身右腕は、スカウトの視線を独占する。 取材・文=岡本朋祐、写真=上野弘明 
進路について、本人は「まだ決まっていない」と明言を避けている。とはいえ、れいめい高・湯田監督はその将来性を高く買っており、プロ志望届を提出することになりそうだ
チームを背負う投手に背番号「1」を託す意味
全体アップ開始と同時に、
太田龍のインタビューはスタート。足をそろえたランニングに、キレのある声で、エースの返答はかき消された。練習の冒頭を見ただけで、その清々しいムードに惹き込まれ、応援したくなってしまう。同校OBで2010年から率いるれいめい高・湯田太監督の指導が行き届いている証拠だ。
「レギュラー番号を与えた9人とは、心中する覚悟です。生半可な気持ちでは、背番号を渡していません。だからこそ、不安のある子にエースナンバーを与えることはできません」
九州No.1投手の呼び声高い太田ではあるが、昨秋まで背番号1を着けたことは一度もなかった。長く、故障と向き合ってきたからである。
宮之城中では軟式で136キロを計測。甲子園常連の鹿児島実高、樟南高からも勧誘はあったが、太田には考えがあった。
「昔から強い学校で甲子園に行くよりも、家から近い私学で頑張りたいと思った」と、さつま町からバスで30分のれいめい高へ進学。1学年上の主将・
火ノ浦明正(現専大)の影響も大きかった。前身の川内実高で、1980年夏以来遠ざかる甲子園出場を目標に入学してきた。
すでに身長が185センチあった入学時から才能は抜きん出ていた。しかし、成長が止まっておらず・・・
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