通算試合出場数は私にとって“記録”ではなかった
中日・
谷繁元信(監督兼捕手)が7月28日の
阪神戦(ナゴヤドーム)で、私の記録を抜くプロ野球最多の3018試合出場を達成した。
マスコミの皆さんから一斉にコメントを求められたが、正直、私はなんとも思わなかった。私は「出場記録」を“記録”とは考えていないのだ。「出場記録」は、ただ長い年数、現役を続けていれば、いつかは達成できるもの。私にとっての“記録”とは、野手ならヒット数とかホームランとか、何しろバットで稼ぐものである。
だから、まだまだもろ手を挙げて谷繁を祝福するわけにはいかないのだ。例えば私の通算安打数は2901本。これだって、大した記録ではない。3017試合に出場しての2901安打だから、1試合に1本も打っていないわけだ。そう考えると、むしろ恥ずかしい数字である。せめて谷繁がこの数字を抜いたとき、心から祝福しようと思う。
それより私が今、一番谷繁に言いたいのは、「もっと試合に出なさい」ということだ。これは
ヤクルト兼任監督時代の古田(敦也)にも散々言ってきた。
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私の記録を抜いた谷繁だが、もっと選手として試合に出てほしい[写真=前島進]
もちろん、気持ちは分かる。まず、“監督”としてヘタなことはできない。その上、自分が試合に出てヘマをしても、叱ってくれる人は誰もいない。次に、当然監督として、「選手育成」という思いがある。若い選手にチャンスをやりたい。だから、どうしても引いてしまう。私もそうだった。しかし・・・
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