第40回日米大学選手権で、侍ジャパンは2大会連続18度目の優勝を飾った。50人の代表選考合宿を経て、日の丸を背負った24人のうち、投手は9人。北海道から唯一のメンバーとなった147キロ右腕は、自チームでは先発ながら、そのタイプから今大会ではリリーフを任された。“新境地”で可能性はさらに広がった。 取材・文=佐伯要、写真=佐藤博之 
今春はリーグ戦防御率0.21で大学選手権出場へ導き、環太平洋大との1回戦で3失点完投勝利、2回戦では立命大を完封して15年ぶりの8強進出を遂げた
「本格派」から一転サイドスローにした理由
野球選手には、ケガや失敗がつきものだ。そして、その挫折を乗り越えることで成長していく。
東海大北海道キャンパスのエース・
水野滉也はそんな投手の一人だ。右サイドハンドから最速147キロの直球を低めに集め、スライダーやフォークを武器に打者を打ち取る。今春の札幌学生リーグでは5勝無敗、防御率0.21をマークして最優秀選手、最優秀投手、ベストナインの3冠を受賞。大学選手権では2勝(1完封1完投)を挙げ、チームを15年ぶりの8強に導いた。さらに侍ジャパン大学代表として日米大学選手権に出場。2大会連続18度目の優勝を果たした。
プロのあるスカウトは、水野をこう評価している。
「サイドスローには希少価値がある。投げっぷりもいい。右打者にも左打者にもスライダーでストライクが取れるので、カウントが崩れない。右サイドスローには左打者を苦手にする投手もいますが、彼にはフォークがある。工夫して、左打者対策もできていますね」
野球を始めた小学2年ごろから
松坂大輔(現
ソフトバンク)にあこがれ、本格派を目指した・・・
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