1975年、広島は球団創設26年目にして初優勝を果たした。この歓喜、そして以後80年代にわたる黄金時代の中心に、いつも、この2人がいた。山本浩二、衣笠祥雄。広島の球団史だけでなく、日本プロ野球史に燦然と輝く2人のレジェンドに、いまのカープについて語ってもらった。ここでは山本浩二氏に話を聞く。 75年初優勝当時の山本浩二[左]、衣笠祥雄[右]コンビ。攻守走でチームをけん引した
積み重ねから花開く
前回の優勝から25年か……。長かったな(苦笑)。ただね、いま11連勝もあって首位を独走しているけど、急によくなったわけじゃない。チーム力というのは積み重ねだからね。前監督の
野村謙二郎が鍛えてきた若い選手たちが、いま芽を出している。菊池(涼介)、丸(佳浩)もそうだし、
鈴木誠也もそう。みんな一皮むけてきたね。もちろん、いますごくいい状態で来てるのは確かだよ。チーム力が接近しているいまの球界で、11連勝はちょっとないからね。
一番の要因は、やっぱりチームがひとつになっていることやね。チームは、ひとつにならなければ勝てないんだ。ゲームでもペナントレースでもね。それがいましっかりできている。なぜそれができたかと言えば、やっぱり黒田(博樹)と新井(貴浩)の存在よ。2人はいつも一生懸命、ガムシャラにやっている。「俺についてこい」と言葉で言うんじゃなくて、背中を見せながらね。若い連中は昨年からずっと2人の練習とか試合に対する姿勢を見てきて、それについていこうと思っている。自分たちも、やらなきゃと思いながらね。新井は2000本安打を達成し、黒田は200勝にあと1勝だよね。見ていて、2人に記録を作ってもらおうという気持ちが若い選手からすごく出ていた。それがチームをひとつにすることにつながって、連勝という形になったんだと思うよ。
黒田は、ついに日米200勝に王手
ワシらのころもあった・・・
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