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岡江昇三郎

巨人の捕手って何だろう。インサイドワーク?徹底した安全志向?いや、いや、「打ってナンボ」がその存在価値。阿部は適任!

 

 各球団、キャンプも終了間近だが、捕手に再転向した巨人阿部慎之助は、もう、身心ともに「捕手・阿部」に戻ったことと思う。高橋由伸監督に望むのは、故障以外では、阿部を捕手から絶対外さないでほしい、これである(キャンプでは離脱してしまったが)。その理由はこれから述べる。

 筆者は、かなり前から「阿部の捕手はもう厳しいなあ。負担の少ないポジションで打に専念させてやりたい」と思っていた。しかし、これはDH制のパ・リーグならいざ知らず、セ・リーグでは、ただの素人考えに過ぎなかった。一塁手というポジションは、そう簡単に務まるものではないのである。以前、豊田泰光さんに一塁守備の“恐しさ”を聞かされたことがある。サンケイ時代、最後は遊撃から一塁に回ったのだが「オレ、殺されるかと思ったよ。ワンちゃん(巨人・王貞治)のライナーが正面に飛んできたときだよ。ものすごいのなんの。どうすりゃいいんだ。助けて〜、だったよ」と豊田さん。そういうポジションなのである。三十半ばを過ぎた阿部に、そこにアジャストしろと言うほうがムリなのだ。

捕手に戻った巨人・阿部慎之助。高橋監督は辛抱強く使い続けてほしい/写真=高塩隆



 だから、高橋監督が捕手に戻したのは大正解なのである・・・

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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